2B
国民年金法  基礎知識と関連過去問 Tome塾Homeへ
 受給権の保護、内払・充当、未支給の年金、損害賠償請求権、死亡の推定、失踪宣告、生計維持、生計同一 
別ページ掲載:第三者行為(厚生年金保険法)
関連過去問 12-2D12-9B13-3B13-4D13-6E13-7A14-9E17-6A18-3D18-2E18-4B19-3D19-6D19-8C20-1E20-3D22-4D22-5D23-A,B,C,D,E24-8C25-1D25-10C26-2C26-10E27-5A、27-5C28-5A23-5C29-2イ29-9A29-9C29-9D29-9E令元ー7C令2-1ア令2-4C令2-5C令3-2A令3-10E令5-3E令5-6B令5-7D令5-10オ
令3-2選択
関連条文 死亡の推定(18条の3)、失踪宣告の場合の取扱(18条の4)、失踪宣告(民法30条)
未支給の年金(19条)、遺族基礎年金の未支給年金の特例(19条2項)、未支給の年金を受けるべき者の順位(施行令4条の3の2)、未支給年金の請求(施行規則25条)
 内払調整(21条)、過誤払い調整(21条の2)、損害賠償請求権(22条)、受給権の保護(24条)、公課の禁止(25条)、脱退一時金への読替え適用(附則9条の3の2の7項)、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





 
1.受給権の保護(24条法改正(R04.04.01)
 「給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押えることができない。
 ただし、老齢基礎年金又は付加年金を受ける権利を国税滞納処分(その例による処分を含む)により差し押える場合は、この限りでない」
 独立行政法人福祉医療機構法
 「3条 社会福祉事業施設及び病院、診療所等の設置等に必要な資金の融通並びにこれらの施設に関する経営指導、社会福祉事業に関する必要な助成、社会福祉施設職員等退職手当共済制度の運営、心身障害者扶養保険事業等を行い、もって福祉の増進並びに医療の普及及び向上を図ることを目的とする」
 「機構法3条2項 法改正(R04.04.01削除) 機構は、前項に規定するもののほか、厚生年金保険制度、国民年金制度及び労働者災害補償保険制度に基づき支給される年金たる給付の受給権を担保として小口の資金の貸付けを行うことを目的とする」 
 公課の禁止(25条)
 「租税その他の公課は、給付として支給を受けた金銭を標準として、課することができない。
 ただし、老齢基礎年金及び付加年金については、この限りでない」
 脱退一時金への読替え適用(附則9条の3の2の7項)
 「24条(受給権の保護)において、「老齢基礎年金又は付加年金」は「脱退一時金」に読み替えて、脱退一金について準用する」
チョット補足(脱退一時金)
@「脱退一金を受ける権利は、譲り渡し、担保に供することはできないが、国税滞納処分の例による差し押えはできる」
⇒本国に帰って、脱退一金金を機構に請求する際、日本国内にいたときの国税に滞納があるときは、差押えにあう
A25条(公課の禁止)は準用されないので、課税対象となりうるが、国民年金法による脱退一時金は退職所得とはいえず、課税されない。
13
3B
 給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることはできない。ただし、老齢基礎年金又は付加年金を受ける権利を国税滞納処分により差し押さえることができる例外がある。(R04改)(基礎)
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正しい 誤り

5
3E
 国民年金の給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。ただし、老齢基礎年金又は遺族基礎年金を受ける権利を別に法律で定めるところにより担保に供する場合及び国税滞納処分(その例による処分を含む)により差し押さえる場合は、この限りでない。(13-3Bの類型)
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正しい 誤り
28
5A
 給付を受ける権利は、原則として譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができないが、脱退一時金を受ける権利については国税滞納処分の例により差し押さえることができる。(発展)
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正しい 誤り
19
6D
 給付を受ける権利は、年金給付を受ける権利を別に法律で定めるところにより担保に供する場合を除き、担保に供することはできない。また、給付を受ける権利は、年金給付を受ける権利を別に法律で定めるところにより譲渡する場合を除き、譲り渡すことができない。(13-3Bの応用)
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正しい 誤り

23
4
A
B
C
D
E

 厚生年金保険法又は国民年金法に基づく年金受給権を担保として、令和3年度まで、小口の資金の貸付けを行ってきた機関として正しいものは、次のうちどれか。(発展)(R04改)
A 独立行政法人福祉医療機構
B 独立行政法人労働者健康安全機構
C 財団法人年金融資福祉サービス協会
D 社団法人全国社会保険協会連合会
E 日本年金機構
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A B C D E

17
6A
 老齢基礎年金及び付加年金については、租税その他の公課を課すことができ、またその給付を受ける権利を国税滞納処分により差し押さえることができる。(基礎)
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正しい 誤り
25
10
C
 原則として、給付を受けた金銭を標準として租税その他の公課を課することはできないが、老齢基礎年金及び付加年金には公課を課することができる。(17-6Aの類型)
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正しい 誤り

3
2

 国民年金法第25条では、「租税その他の公課は、| D |として、課することができない。ただし、| E |については、この限りでない」と規定している。
 解答・解説を見る 語群はこちらを
13
4D
 老齢基礎年金を除き、給付として支給を受けた金銭を標準として、租税その他の公課を課することはできない。(17-6Aの類型)
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正しい 誤り




調












調







2.1 内払調整(21条)
 「乙年金の受給権者が甲年金の受給権を取得したため乙年金の受給権が消滅し、又は同一人に対して乙年金の支給を停止して甲年金を支給すべき場合において、乙年金の受給権が消滅し、又は乙年金の支給を停止すべき事由が生じた日の属する月の翌月以降の分として、乙年金の支払が行われたときは、その支払われた乙年金は、甲年金の内払とみなす
 「同2項 年金の支給を停止すべき事由が生じたにもかかわらず、その停止すべき期間の分として年金が支払われたときは、その支払われた年金は、その後に支払うべき年金の内払とみなすことができる
 障害基礎年金又は遺族基礎年金を減額して改定すべき事由が生じたにもかかわらず、その事由が生じた日の属する月の翌月以降の分として減額しない額の障害基礎年金又は遺族基礎年金が支払われた場合における当該障害基礎年金又は遺族基礎年金の当該減額すべきであつた部分についても、同様とする」

 「同3項 (法改正H27.10.01) 同一人に対して厚生年金保険法による年金たる保険給付(厚生労働大臣が支給するものに限る)の支給を停止して年金給付を支給すべき場合において、年金給付を支給すべき事由が生じた日の属する月の翌月以降の分として同法による年金たる保険給付の支払が行われたときは、その支払われた同法による年金たる保険給付は、年金給付の内払とみなすことができる」

 内払調整の3つのパターン(いづれも同じ受給権者間での調整)
 届出遅れ、手続処理遅れなどにより、 
@1項:国民年金法による異なる年金間での調整
 国民年金法のA年金を受けていた者が国民年金法のB年金を受けることになった場合(併給不可のとき)に、 A年金が引き続き支払われた場合は、B年金の内払いとみなす。(必ず)
⇒例えば、寡婦年金の支給を受けていた者が老齢基礎年金の繰上げ請求をした場合、寡婦年金の受給権が消滅したにもかかわらず支給が続いたときは、返さなくてもいいから老齢基礎年金の内払いとして調整する。
A2項:国民年金法による同じ年金間での調整
・国民年金法の年金を受けていたが、支給停止事由に該当したにもかかわらず、引き続き年金が支払われた場合、支給停止の解除が近く見込まれるあるいは近く解除となった場合などにおいては、支給停止事由が解除後の年金の内払とみなすことができる
・年金を減額して改定すべき事由が生じたにもかかわらず、引き続き減額前の年金が支払われた場合は、減額後の年金の内金とみなすことができる
⇒例えば、障害基礎年金の加算の対象になっていた子供の一人が18歳到達年度末をこえたにもかかわらず4月・5月分の年金額に含まれて送金されてきた場合、返さないかわりに、6月・7月分の年金額の内払いとして調整し、その分、全体の年金額から差し引くことができる。
B3項:厚生年金法により厚生労働大臣が支払う年金と国民年金法による年金間での調整
 (厚生労働大臣が支払っていた)一元化前の厚生年金法、あるいは一元化後にあっては実施機関として支払う厚生年金法による年金を受けていた者が国民年金法による年金を受けることになった場合(併給不可のとき)に、引き続き厚生年金法による年金が支払われた場合は、国民年金法による年金の内払いとみなすことができる。
⇒例えば、昭和16年4月1日以前に生まれで特別支給の老齢厚生年金を受けていた者が老齢基礎年金の繰上げ請求した場合、老齢厚生年金は全額支給停止すべきにもかかわらず支給が続いたときは、返さなくてもいいから老齢基礎年金の内払いとして調整することができる。
異なる実施機関である共済組合と国民年金の間では内払い調整はしない。返金する。

@内払い調整は同一受給者間での内払いによる調整
A異なる実施機関である共済組合と国民年金の間では内払い調整はしない

2.2 過誤払い調整(21条の2)
 「年金給付の受給権者が死亡したためその受給権が消滅したにもかかわらず、その死亡の日の属する月の翌月以降の分として当該年金給付の過誤払が行われた場合において、当該過誤払による返還金に係る債権(返還金債権)に係る債務の弁済をすべき者に支払うべき年金給付があるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該年金給付の支払金の金額を当該過誤払による返還金債権の金額に充当することができる」
 厚生労働省令で定めるところ(施行規則86条の2)
 「21条の2の規定による年金たる給付の支払金の金額の過誤払による返還金債権への充当は、次の各号に掲げる場合に行うことができる」
1  年金たる給付の受給権者の死亡を支給事由とする遺族基礎年金の受給権者が、当該年金たる給付の受給権者の死亡に伴う当該年金たる給付の支払金の金額の過誤払による返還金債権に係る債務の弁済をすべき者であるとき。
 補足 死亡した者が例えば夫であって、老齢基礎年金を受けていた場合、
・夫が死亡して失権したにもかかわらず、引き続き夫に年金が誤って送られてきた場合、
・夫の死亡により、遺族基礎年金の受給権者となった妻が、誤って送られてきた年金を返還すべき債務者となる場合は、
・妻に支給する遺族基礎年金の年金額の一部に充てる(その分は妻には支給しない)から返さなくて よいことにすることができる
2  遺族基礎年金の受給権者が同一の支給事由に基づく他の遺族基礎年金の受給権者の死亡に伴う当該遺族基礎年金の支払金の金額の過誤払による返還金債権に係る債務の弁済をすべき者であるとき。

 補足 たとえば、兄弟で遺族基礎年金を半額づつ受けていた場合、
・兄が死亡したにもかかわらず、引き続き兄にも遺族基礎年金が誤って送られてきた場合、
・弟がそれを返さないといけない返還金の債務者となる場合、
・弟へは全額支給すべきであるが、兄に誤って送った年金額を充てる(その分は弟は支給しない)から返さなくて よいことにすることができる。


@過誤払い調整は死亡した者と、遺族基礎年金を受ける者の間で行われる充当による調整
A厚生年金保険給付と国民年金給付間での過誤払調整はない。      






調


20
1E
 年金の支給を停止すべき事由が生じたにもかかわらず、その停止すべき期間の分として年金が支払われたときは、その支払われた年金は、その後に支払うべき年金の内払とみなすことができる。(基礎)

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正しい 誤り

2
1ア
 遺族基礎年金を減額して改定すべき事由が生じたにもかかわらず、その事由が生じた日の属する月の翌月以降の分として減額しない額の遺族基礎年金が支払われた場合における当該遺族基礎年金の当該減額すべきであった部分は、その後に支払うべき遺族基礎年金の内払とみなすことができる。(基礎)

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正しい 誤り
22
5D
 障害厚生年金の支給を停止し、老齢基礎年金を支給すべき場合に、支給すべき月の翌月以降の分として障害厚生年金が支払われた場合であっても、両年金は、異なる制度の年金であるので、障害厚生年金を老齢基礎年金の内払とみなすことはできない。(基礎)

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正しい 誤り


2A
 同一人に対して障害厚生年金(厚生労働大臣が支給するものに限る)の支給を停止して老齢基礎年金を支給すべき場合に、その支給すべき事由が生じた日の属する月の翌月以降の分として当該障害厚生年金が支払われたときは、その支払われた障害厚生年金は当該老齢基礎年金の内払とみなすことができる。(22-5Dの類型)

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正しい 誤り










5
7D


 国民年金法第21条の2によると、年金給付の受給権者が死亡したためその受給権が消滅したにもかかわらず、その死亡の日の属する月の翌月以降の分として当該年金給付の過誤払が行われた場合において、当該過誤払による返還金に係る債権に係る債務の弁済をすべき者に支払うべき年金給付があるときは、その過誤払が行われた年金給付は、債務の弁済をすべき者の年金給付の内払とみなすことができる。(基礎)

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正しい 誤り
19
8C
 遺族基礎年金の受給権者が同一の支給事由に基づく他の遺族基礎年金の受給権者の死亡に伴う当該遺族基礎年金の支払金の金額の過誤払による返還金債権に係る債務の弁済をすべき者である場合で、当該弁済をすべき者に支払うべき年金給付があるときは、当該年金給付の支払金の金額を当該過誤払による返還金債権の金額に充当することができる。 (基礎)
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正しい 誤り
29
9D
 遺族である子が2人で受給している遺族基礎年金において、1人が婚姻したことにより受給権が消滅したにもかかわらず、引き続き婚姻前と同額の遺族基礎年金が支払われた場合、国民年金法第21条の2の規定により、過誤払として、もう1人の遺族である子が受給する遺族基礎年金の支払金の金額を返還すべき年金額に充当することができる。 (発展)
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正しい 誤り
29
9C
 夫婦ともに老齢基礎年金のみを受給していた世帯において、夫が死亡しその受給権が消滅したにもかかわらず、死亡した月の翌月以降の分として老齢基礎年金の過誤払が行われた場合、国民年金法第21条の2の規定により、死亡した夫と生計を同じくしていた妻に支払う老齢基礎年金の金額を当該過誤払による返還金債権の金額に充当することができる。(基礎) 
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正しい 誤り















3.未支給の年金(19条) 法改正(H26.04.01)
 「年金給付の受給権者が死亡した場合において、その死亡した者に支給すべき年金給付でまだその者に支給しなかったものがあるときは、その者の配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹又はこれらの者以外の3親等以内の親族であって、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものは、自己の名で、その未支給の年金の支給を請求することができる」
⇒生計同一の条件についてはこちらを
⇒未支給年金は死亡した者と生計を同じくする一定の遺族だけに支給されるものであり、相続財産には含まれない。(支給要件に該当しない場合は、相続人であっても受け取ることはできない。誰も受け取れる者がいないときは、返却することになる)
    遺族基礎年金の未支給年金の特例(19条2項)
 「前項の場合において、死亡した者が遺族基礎年金の受給権者であつたときは、その者の死亡の当時当該遺族基礎年金の支給の要件となり、又はその額の加算の対象となつていた被保険者又は被保険者であつた者の子は、同項に規定する子とみなす」  
 具体例:遺族基礎年金の受給権者である後妻が死亡した場合。
・生計を同じくしていた後妻の子は、1項により、未支給の年金を請求できる。
・もし先妻の子がいた場合、この子が後妻と養子縁組をしていなければ、後妻の子ではないので、1項では、未支給の年金は請求できない。しかし、この先妻の子は死亡した父の実子であるから、受給権者となったり加算の対象となりうる子であるので、2項を設けて、未支給の年金を請求できることにした。
 「19条3項 1項の場合において、死亡した受給権者が死亡前にその年金を請求していなかつたときは、同項に規定する者は、自己の名で、その年金を請求することができる」  

 死亡した受給権者がまだその年金を請求していなかった場合は、死亡者の名前ではなく、未支給年金の請求者が自分の名前で裁定請求する。(施行規則25条を参照のこと)
 「同4項 法改正(H26.04.01) 未支給の年金を受けるべき者の順位は、政令で定める」
 「同5項 未支給の年金を受けるべき同順位者が二人以上あるときは、その一人のした請求は、全員のためその全額につきしたものとみなし、その一人に対してした支給は、全員に対してしたものとみなす」
⇒最優先順位者のみが請求できる。
 最優先順位者が複数いる場合、だれか代表者1人が請求し、この者に全額支給する。(後の配分は、当事者同士で行ってくれ)
 未支給の年金を受けるべき者の順位(施行令4条の3の2)法改正(H26.04.01新規)
 「法19条4項に規定する未支給の年金を受けるべき者の順位は、死亡した者の配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹及びこれらの者以外の三親等内の親族の順序とする」
 未支給年金の請求(施行規則25条) 厚生年金保険法の場合はこちらを
 「法19条の規定による未支給の年金の支給の請求は、次に掲げる事項を記載した請求書を機構に提出することによつて行わなければならない。
 この場合において、当該請求が法19条3項の規定(受給権者が裁定請求する前に死亡)に該当することに係るものであるときは、併せて、老齢基礎年金の裁定請求書及びこれに添えるべき書類を提出しなければならない」
・請求者の氏名・住所・個人番号。請求者と受給権者との身分関係
・受給権者の氏名・生年月日・住所、基礎年金番号、老齢基礎年金の年金証書の年金コード、死亡年月日
・請求者以外に法19条1項の規定に該当する者があるときは、その者と受給権者との身分関係
・払渡希望金融機関等の名称・口座番号等
 「同2項 前項の請求書には、次に掲げる書類を添えなければならない」
・受給権者及び請求者の相互の身分関係を明らかにすることができる書類
・受給権者が請求者と生計を同じくしていたことを明らかにすることができる書類等
 「同3項 1項の請求は、老齢基礎年金の受給権者が同時に老齢厚生年金の受給権を有していた場合であつて同項の請求を行う者が当該受給権者の死亡について厚生年金保険法37条1項の請求を行うことができる者であるときは、当該請求に併せて行わなければならない。
 この場合において、請求書の記載事項及び添付書類のうち厚生年金保険法施行規則42条により記載し、又は添えたものについては、重複を要しない(一部意訳)」
 障害基礎年金、遺族基礎年金等に係る未支給年金の請求についても、適宜読み替えて、施行規則25条を準用する。

(1) 未支給の年金給付が生じるのは
 @受給する権利があるのに、まだ裁定請求をしていなかったときに死亡
 A裁定が認められ受給権を取得したが、受給する前に死亡
 B受給中に死亡
 (「年金は死亡した日の属する月まで支給される」ことと、「年金は原則として、偶数月にその前月までの分が支給される」ことから、例えば3月に死亡すると、12月分と1月分は2月に本人が受け取っているが、2月分と3月分は本人が受け取ることのできない未支給の年金となる)
(2) 未支給の給付の規定は各法ともほぼ同じであるが、国民年金法では「年金に限られ、死亡一時金は対象外」である。
  ただし、脱退一時金は未支給分を請求できる。
  厚生年金の場合はこちらを
 
18
3D
 老齢基礎年金の受給権者が裁定請求をしないまま死亡した場合、未支給年金を請求することができる。(基礎)

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正しい 誤り






29
9A
 老齢基礎年金の支給を受けている者が平成29年2月27日に死亡した場合、未支給年金請求者は、死亡した者に支給すべき年金でまだその者に支給されていない同年1月分と2月分の年金を未支給年金として請求することができる。
 なお、死亡日前の直近の年金支払日において、当該受給権者に支払うべき年金で支払われていないものはないものとする。 (基礎)

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正しい 誤り

5
10
 老齢基礎年金を受給している者が、令和5年6月26日に死亡した場合、未支給年金を請求する者は、死亡した者に支給すべき年金でまだその者に支給されていない同年5月分と6月分の年金を未支給年金として請求することができる。
 なお、死亡日前の直近の年金支払日において、当該受給権者に支払うべき年金で支払われていないものはないものとする。(29-9Aの類型)

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正しい 誤り






















13
7A
 年金給付の受給権者が死亡した場合に、未支給年金があるときは、その者の配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹及びこれらの者以外の三親等内の親族で、その者の死亡当時その者と生計を同じくしていた者は、その未支給年金の支給を請求することができる。(H26改)(基礎)
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正しい 誤り
19
3D
 年金給付の受給権者が死亡した場合で、その死亡した者に支給すべき年金給付でまだその者に支給しなかったものがあるとき、自己の名で、その未支給年金の支給を請求することができる者は、その者の配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹であって、当該受給権者の死亡当時その者により生計を維持されていた者に限る。(13-7Aの類型)
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正しい 誤り

2
4C
 障害基礎年金の受給権者が死亡し、その者に支給すべき障害基礎年金でまだその者に支給しなかったものがあり、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていた遺族がその者の従姉弟しかいなかった場合、当該従姉弟は、自己の名で、その未支給の障害基礎年金を請求することができる。(13-7Aの類型)
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正しい 誤り
29
9E
 65歳に達したときに老齢基礎年金の受給資格を満たしていたが、裁定を受けていなかった68歳の夫が死亡した場合、生計を同じくしていた65歳の妻は、夫が受け取るはずであった老齢基礎年金を未支給年金として受給することができる。この場合、夫が受け取るはずであった老齢基礎年金は、妻自身の名で請求し、夫が65歳に達した日の属する月の翌月分から死亡月の分までの受け取るはずであった年金を受け取ることになる。  (13-7Aの応用)
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正しい 誤り
26
10
E
 介護老人保健施設に入所中の老齢基礎年金の受給権者が平成26年4月11日に死亡し、その者に支給すべき年金でまだ支給していない年金がある場合に、死亡した受給権者の親族が姪のみであった。姪が受給権者の面倒をみるために定期的に施設へ訪問し、日常生活に係る施設からの指示連絡等についても対応しており、施設入所前は死亡した受給権者と同居していた場合は、受給権者の現住所が施設となっており、住民票の住所が異なる場合でも、姪は受給権者と死亡当時生計を同じくしていたとみなされ、自己の名で未支給年金を請求することができる。
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正しい 誤り














20
3D
 遺族基礎年金の受給権者が死亡した場合には、その者の死亡の当時当該遺族基礎年金の支給の要件となり、又はその額の加算の対象となっていた被保険者又は被保険者であった者の子も未支給の年金を請求することができる。(難問)

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正しい 誤り
25
1D
 遺族基礎年金の受給権者である妻が死亡した場合の未支給の年金について、妻の死亡の当時、当該遺族基礎年金の支給の要件となり、又はその額の加算の対象となっていた被保険者又は被保険者であった者の子は、当該妻と養子縁組をしていなくても、未支給の年金の支給を請求することができる子とみなされる。(20-3Dの類型)

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正しい 誤り

3
10
E
 第1号被保険者である夫の甲は、前妻との間の実子の乙、再婚した妻の丙、丙の連れ子の丁と4人で暮らしていたところ甲が死亡した。丙が、子のある妻として遺族基礎年金を受給していたが、その後、丙も死亡した。丙が受け取るはずであった当該遺族基礎年金が未支給年金となっている場合、丁は当該未支給年金を受給することができるが、乙は当該未支給年金を受給することができない。なお、丁は甲と養子縁組をしておらず、乙は丙と養子縁組をしていないものとする。(20-3Dの類型)

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正しい 誤り




5
6B

 未支給の年金の支給の請求は、老齢基礎年金の受給権者が同時に老齢厚生年金の受給権を有していた場合であって、未支給の年金の支給の請求を行う者が当該受給権者の死亡について厚生年金保険法第37条第1項の請求を行うことができる者であるときは、当該請求に併せて行わなければならない。

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正しい 誤り




27
5A
 最高裁判所の判例によると、国民年金法第19条第1項に規定する未支給年金を受給できる遺族は、厚生労働大臣による未支給年金の支給決定を受けることなく、未支給年金に係る請求権を確定的に有しており、厚生労働大臣に対する支給請求とこれに対する処分を経ないで訴訟上、未支給年金を請求できる、と解するのが相当であるとされている。(発展)

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正しい 誤り
28
5C
 年金給付の受給権者が死亡した場合において、その死亡した者に支給すべき年金給付でまだその者に支給しなかったものがあるときは、その未支給の年金については相続人に相続される。
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正しい 誤り





7C
 未支給の年金を受けるべき者の順位は、死亡した者の配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹及びこれらの者以外の3親等内の親族の順位とされている。
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正しい 誤り







24
8C
 未支給の年金を受けるべき同順位者が2人以上あるときは、その1人のした請求は、全員のためその全額につきしたものとみなし、その1人に対してした支給は、全員に対してしたものとみなす。(基礎)

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正しい 誤り


















4.損害賠償請求権(22条)
 「政府は、障害若しくは死亡又はこれらの直接の原因となった事故が第三者の行為によって生じた場合において、給付をしたときは、その給付の価額の限度で、受給権者が第三者に対して有する損害賠償の請求権を取得する」
 「2項 前項の場合において、受給権者が第三者から同一の事由について損害賠償を受けたときは、政府は、その価額の限度で、給付を行う責を免かれる」  
 厚生年金保険法及び国民年金法に基づく給付と損害賠償額との調整の取扱いに関する事務処理要綱(H27.09.30年管管発0930第6号)
@制度の趣旨
 厚生年金保険法及び国民年金法に基づく給付の受給権が、第三者行為事故により発生した場合については、その事故が仮に起こっていないとしたならば、保険者は当該給付をする必要がなかったものという観点に立ち、被害者である被保険者又は被保険者であった者(被保険者等)若しくは被保険者等の遺族が損害賠償を受けた場合には、厚生年金保険法及び国民年金法に基づく給付と損害賠償による二重保障を回避する目的で、その損害賠償の価額の限度で給付を行わないことができることとされている。
A給付と損害賠償額との調整
 第三者行為事故により、Bに規定する給付の受給権が発生した場合は、Cに基づき給付を行わない月数等を算出し、当該期間は給付を行わないものとすること。
B損害賠償額との調整の対象となる給付
 障害厚生年金、障害基礎年金、障害手当金、遺族厚生年金、遺族基礎年金、寡婦年金。
 なお、死亡一時金については、保険料の掛け捨て防止の考え方に立った給付であり、その給付額にも鑑み、損害賠償を受けた場合であっても、損害賠償額との調整は行わないこととする。
⇒死亡一時金との調整はなし。過去問(22-4B)参照
C給付を行わない月数の算出方法
 第三者から受けた損害賠償額のうち、生活補償費相当額の限度において、給付を行わない月数の算出方法は以下のとおり。ただし、36月を上限とし、1月未満の端数は切り捨てる。
⇒支給停止は最も長くても3年です。
・障害年金の場合:生活補償費相当額×(受給権者+加給金対象者数)/受給権者及び被害者の被扶養者数÷基準生活費
・遺族年金の場合:生活補償費相当額×相続割合×受給権者数/死亡した者の被扶養者数÷基準生活費
 生活補償費相当額の算出
・生活補償費相当額は、第三者から受けた損害賠償のうち、受給権者と第三者との間の定め等によって生活補償部分(逸失利益)が明確なものについては、その額から葬祭料、医療費などで損害賠償として受けていない額を控除した額
・生活補償部分(逸失利益)が明確でないものについては、(損害賠償金の総額から慰謝料、並びに葬祭料、医療費などで損害賠償として受けていない額を控除した額)あるいは(損害賠償金の総額から葬祭料、医療費などで損害賠償として受けていない額を控除した額)の2/3)の内、低い方の額とする。
D給付を行わない場合の事務処理
・給付と損害賠償額との調整を行う場合は、障害年金及び遺族年金の受給権発生時から行うものとすること。
・第三者行為事故が発生してから受給権者が損害賠償を受けるまでには相当の期間を要する場合があるが、年金の給付は、損害賠償を受けるのを待たず速やかに行うこととすること。
 そのため、給付開始後に受給権者が損害賠償を受けることとなった場合は、損害賠償を受けるまでの間に行った給付は、年金の内払い等により返還を求めることとなるが、この場合の消滅時効の起算点は、損害賠償を受けた日の翌日とすること。
E損害賠償請求権の求償
 
受給権者から提出された損害賠償に関する資料により、被害者が受けるべき年金給付等の額を差し引いて損害賠償額の算出がされていたことを確認した場合には、年金給付等と損害賠償額との調整は行わず、加害者に対して当該年金給付等の額につき求償を行うこと。
 求償額は、損害賠償金額やその内訳が確認できる示談書、和解調書、判決文等及び領収書等の添付書類の内容をもとに確定すること。
13
6E
 政府は、障害等の直接の原因となった事故が第三者の行為によって生じた場合に、給付をしたときは、その給付の価額の限度で、受給権者が第三者に対して有する損害賠償の請求権を取得する。(基礎)
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正しい 誤り
30
5ウ
 政府は、障害の直接の原因となった事故が第三者の行為によって生じた場合において、障害基礎年金の給付をしたときは、その給付の価額の限度で、受給権者が第三者に対して有する損害賠償の請求権を取得する。(13-6Eの類型)
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12
9B
 障害若しくは死亡が第三者の行為によって生じ、その年金給付を行う場合、受給権者が第三者から同一の事由について損害賠償を受けたときは、政府は、その価額の限度で給付を行う責を免れる。(基礎)
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27
5C
 20歳前傷病による障害基礎年金の受給権者の障害が第三者の行為によって生じた場合に、受給権者が第三者から同一の事由について損害賠償を受けたとき、当該障害基礎年金との調整は行われない。 (12-9Bの類型)
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5.死亡の推定(18条の3)
 「船舶が沈没し、転覆し、滅失し、若しくは行方不明となった際現にその船舶に乗っていた者若しくは船舶に乗っていてその船舶の航行中に行方不明となった者の生死が三箇月間分らない場合、又はこれらの者の死亡が三箇月以内に明らかとなり、かつ、その死亡の時期が分らない場合には、死亡を支給事由とする給付の支給に関する規定の適用については、その船舶が沈没し、転覆し、滅失し、若しくは行方不明となった日又はその者が行方不明となった日に、その者は、死亡したものと推定する。
 航空機が墜落し、滅失し、若しくは行方不明となった際現にその航空機に乗っていた者若しくは航空機に乗っていてその航空機の航行中に行方不明となった者の生死が三箇月間分らない場合又はこれらの者の死亡が三箇月以内に明らかとなり、かつ、その死亡の時期が分らない場合にも、同様とする」
⇒死亡の推定が適用されるのは、船舶及び航空機による場合のみ
上記の例外
 「東日本大震災による災害により行方不明となった者に係る遺族厚生年金等の請求があった場合の取扱いについて](H23.06.07年管管発0607第5号)  
 「東北地方太平洋沖地震(以下震災という)により行方不明となった者の生死が震災発生日の翌日から起算して3か月間分からない場合は、平成23年3月11日に死亡したものと推定して取り扱うこと」

5' 失踪宣告の場合
 「民法30条 不在者の生死が7年間明らかでないときは、家庭裁判所は、利害関係人の請求により、失踪の宣告をすることができる」
 「同2項 戦地に臨んだ者、沈没した船舶の中に在った者その他死亡の原因となるべき危難に遭遇した者の生死が、それぞれ、戦争が止んだ後、船舶が沈没した後又はその他の危難が去った後1年間明らかでないときも、前項と同様とする」 
 「民法31条 30条1項の規定により失踪の宣告を受けた者は同項の期間(7年間)が満了した時に、2項の規定により失踪の宣告を受けた者はその危難が去った時に、死亡したものとみなす」
 危難失踪
(特別失踪)
民法(一般法)  1年間生死不明  危難が去ったときに死亡したとみなす
国民年金法(特別法)  3か月間生死不明
 (船舶・航空機事故に限る)
 行方不明になったときに死亡したと推定する
 普通失踪 民法  7年間生死不明  7年後に死亡したとみなす
⇒民法(一般法) 一定期間経過後、家庭裁判所が失踪宣告する=死亡とみなす(原則的には覆らない)
⇒国民年金法(特別法) 死亡給付に限り、短期間で自動的に死亡と推定する(反証があれば覆る)  
 失踪宣告の場合の取扱(18条の4)
 「失踪の宣告を受けたことにより死亡したとみなされた者に係る死亡を支給事由とする給付の支給に関する規定の適用については、「死亡日」とあるのは「行方不明となつた日」とし、「死亡の当時」とあるのは「行方不明となつた当時」とする。
 ただし、受給権者又は給付の支給の要件となり、若しくはその額の加算の対象となる者の身分関係、年齢及び障害の状態に係るこれらの規定の適用については、この限りでない」
 
 被保険者の資格  「死亡日」とみなされるのは失踪宣告が出された日であるが、「行方不明になった日」を死亡日ととらえ、そのときに、遺族基礎年金などの受給資格要件を満足する資格があるか否かを判定。
 保険料納付要件  上記と同様に、「行方不明になった日」を死亡日ととらえ、「その前日」で判定。
 生計維持条件  行方不明になった当時を死亡の当時ととらえて判定。
 身分関係(婚姻関係、親子関係)、
 年齢、
 障害の状態
 死亡日とみなされる日(失踪宣告が出された日)における関係、状態で判定。
⇒適用されるのは、遺族基礎年金(37条37条の2)(遺族厚生年金も同様)、寡婦年金(49条、死亡一時金(52条の2)

 「行方不明になった日」に老齢基礎年金などの受給権があったとしても、未支給年金は発生しない(生計同一の条件を満足する者はいないはず)
14
9E
 船舶が沈没若しくは行方不明になった際現にその船舶に乗船し、行方不明となった者の生死が3か月間分からない場合は、その船舶が沈没若しくは行方不明となった日から3か月を経過した日に、その者は死亡したものと推定する。(基礎)
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12
2D
 船舶が行方不明となった際、その船舶に乗っていた者の生死が6か月間分からないとき、死亡を支給事由とする給付の支給に関して、行方不明になった日にその者は死亡したものと推定する。(14-9Eの類型)
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26
2B
 船舶に乗っていた者がその船舶の航行中に行方不明となり、その生死が1か月間分からない場合には、死亡を支給事由とする給付の支給に関する規定の適用については、行方不明となった日に、その者が死亡したものと推定する。(14-9Eの類型)
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22
4D
 船舶が行方不明になった際に現にその船舶に乗船し、行方不明となった者の生死が分からない場合は、その船舶が行方不明となった日から3か月を経過した日にその者は死亡したものと推定する。(14-9Eの類型)
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18
4B
 自動二輪車でヨーロッパ大陸横断中に行方不明になり、その者の生死が3月間分からない場合には、行方不明となったその日にその者は死亡したものと推定される。(14-9Eの類型)

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29
2イ
 冬山の登山中に行方不明になり、その者の生死が3か月間分からない場合には、死亡を支給事由とする給付の支給に関する規定の適用について、行方不明となった日にその者は死亡したものと推定される。(18-4Bの類型)

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18
2E
 失踪宣告があったときは、行方不明になってから5年を経過した日に死亡したものとみなされる。(発展)

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26
2C
 民法の規定による失踪宣告があり、行方不明になってから7年を経過した日が死亡日とみなされた場合、死亡を支給事由とする給付の支給に関する規定の適用における生計維持関係、被保険者資格及び保険料納付要件については、行方不明になった日を死亡日として取り扱う。

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2
5C
 失踪の宣告を受けたことにより死亡したとみなされた者に係る遺族基礎年金の支給に関し、死亡とみなされた者についての保険料納付要件は、行方不明となった日において判断する。(26-2Cの類型)

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正しい 誤り
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