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 厚生年金基金 目的等、設立、規約、業務・委託、年金給付等積立金、事業所の増加・減少、合併、分割、解散、健全化計画、監督)
 注:厚生年金基金、企業年金連合会に関する本則はH26.04.01をもって形式上すべて削除。当面は特に除外されたものを除き原則的には、削除前の規定が暫定的に適用される。なお、これに対応して基金令、基金則も廃止
別ページ掲載:役員加入員・加入期間同時に二以上基金保険料・免除保険料率掛金一括徴収給付・老齢年金給付遺族給付金・障害給付金裁定・支払月権利義務の移転企業年金連合会中途脱退
関連過去問 11-3B11-3C11-3D11-3E13-4A13-4B13-4C13-4E15-5C15-5E17-3C17-3E17-4C18-6B20-3B20-8D21-3A21-3C22-9C22-9D22-9E一般24-8B一般29-9A11-選択(社保一般)、21-選択










0.今後の厚生年金基金
 
厚生年金基金に関する本則はH26.04.01をもって形式上すべて削除。当面は改正法附則4条、5条などに基づき、特に除外されたものを除き原則的には、削除前の規定が暫定的に適用される。
 定義(H25改正法附則3条)法改正(H26.04.01)
 10号 「旧厚生年金基金:(H26.04.21)改正前厚生年金保険法の規定により設立された厚生年金基金をいう」
 11号 「存続厚生年金基金:次条の規定によりなお存続する厚生年金基金及び附則6条の規定により従前の例によりこの法律の施行日(H26.04.01)以後に設立された厚生年金基金をいう」
 12号 「厚生年金基金:旧厚生年金基金又は存続厚生年金基金をいう」 
 存続厚生年金基金 (H25改正法附則4条)法改正(H26.04.01)
 「旧厚生年金基金であってこの法律の施行の際現に存するものは、施行日(H26.04.01)以後も、改正前厚生年金保険法の規定により設立された厚生年金基金としてなお存続するものとする」
 「同2項 前項の規定によりなおその効力を有するものとされた同項各号に掲げる規定を適用する場合においては、次の表に掲げるように字句等を読み替えるものとする」
 ・142条1項(基金の合併)、143条1項(分割)、144条の2の2項及び4項(権利義務の移転)、145条1項(解散)において、「4分の3」は「3分の2」に。以下略
 存続厚生年金基金に係る改正前厚生年金保険法等の効力等((H25改正法附則5条)法改正(H26.04.01)
 「存続厚生年金基金については、次に掲げる規定は、なおその効力を有する。(以下主要なもののみ記載)
 81条の3(免除保険料率)、85条の3(年金分割に伴う徴収)、106条から110条まで(基金の目的、組織、設立など)、114条から120条の4まで(規約、代議員会、役員、役員の任務、理事の義務等、禁止行為、理事長の代表権の制限)、121条(基金の役職員の公務員たる性質)、122条から130条まで(加入員、資格取得、資格喪失、同時に2以上の基金、標準給与、基金の業務)、130条の2(年金給付費用の契約)、130条の3から136条の5まで(老齢年金給付、給付額、支給停止、年金分割に伴う義務の免除、裁定、支払期月、積立金、積立金の運用、運用の基本方針)、138条から146条の2まで(掛金、納付義務、徴収金、合併、分割、増減、権利義務の移転、脱退一時金相当額の移換、確定拠出年金の実施、確定拠出年金への移換、解散、解散による義務の消滅)、179条(基金等の監督)等」
 厚生年金基金の設立に関する経過措置(H25改正法附則6条)(H26.04.01)
 「施行日(H26.04.01)前にされた改正前厚生年金保険法11条1項の認可の申請であって、この法律の施行の際認可をするかどうかの処分がなされていないものについての認可の処分については、なお従前の例による」
チョット補足
(1) 施行日(H26.04.01)以後は、厚生年金基金の新設は経過措置を除き、認められない。
(2)施行日から5年間の時限措置として、特例解散制度を見直し、従来の附則33条同34条同35条など廃止し、新たな特例解散制度として、自主解散型解散あるいは清算型解散を設けた。
(3)代行割れにありながら特例解散制度にも応じず、かつ一定の基準を満たさない基金に対しては、厚生労働大臣による解散命令もありうる。以下(6)に続く。
(4)上乗せ給付が可能な基金にあっては、他の企業年金への積立金の移行がしやすい特例を設けた。
(5)今後の厚生年金基金が取り得る選択肢は、各基金の財政状態(代行割れリスク)に応じて以下のようなものがある。
 ここで、代行割れリスクは積立比率=代行部分に必要な責任準備金相当額(最低責任準備金)/積立金資産額でランク分けし、
 @積立比率が1.0未満(現状において代行割れ)特例解散(自主解散型解散あるいは清算型解散)
 A積立比率が1.0以上1.5未満(1〜2年以内に代行割れが生じる可能性のある代行割れ予備軍):他の企業年金への移行あるいは通常解散・解散命令
 B積立比率が1.5以上又は又は積立金が最低積立基準額(上乗せ給付も含めた責任準備金相当額)以上(健全な基金):他の企業年金への移行あるいは存続 
(6)特例解散:代行割れしている基金に対して、向こう5年以内の早期解散を促がすための特例措置であり、
 @分割納付の特例(自主解散型基金の場合は改正法附則13条、清算型基金の場合は改正法附則22条、いずれも全事業主の連帯債務ではなく、個々の事業主毎に自己の負担分を納付計画に基づいて納付)
 ⇒最長30年
 A納付額の特例(自主解散型基金の場合は改正法附則11条、清算型基金の場合は改正法附則20条)  
 存続厚生年金基金の解散に伴う責任準備金相当額の徴収(H25改正法附則8条)法改正(H26.04.01)
 「政府は、存続厚生年金基金が解散したときは、その解散した日において当該存続厚生年金基金が年金たる給付の支給に関する義務を負っている者に係る責任準備金相当額(政令で定めるところにより算出した責任準備金に相当する額をいう)当該存続厚生年金基金から徴収する」
⇒責任準備金相当額を納付できる基金であれば、解散は容易。
@平成26年4月1日前の解散基金については、161条により、責任準備金相当額は企業年金連合会に納付し、以降の年金・一時金の給付(上乗せ分部分は除く)は連合会が行う。
A平成26年4月1日以降の解散基金については、責任準備金相当額は政府に納付し、以降の年金・一時金の給付(上乗せ分部分は除く)は政府が行う。
 なお、所定の要件を満たせば、責任準備金相当額の全部又は一部を物納することも、あるいは厚生労働大臣の解散認可の前から前納することも可能である。
 自主解散型基金が解散する場合における責任準備金相当額の特例(H25改正法附則11条)法改正(H26.04.01)
 「附則5条1項の規定によりなおその効力を有するものとされた改正前厚生年金保険法145条1項1号(代議員会の議決)又は2号(基金事業の継続の不能)に掲げる理由により解散をしようとする存続厚生年金基金であって、当該解散をしようとする日において年金給付等積立金が責任準備金相当額を下回っていると見込まれるもの(以下「自主解散型基金」という)は、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣に対し、責任準備金相当額の減額を可とする旨の認定を申請することができる」
⇒責任準備金相当額の減額の認定を申請した場合は、その翌月から代行部分を除いた上乗せ給付は支給停止としなければならない。
 「同2項 前項の規定による認定の申請は、施行日から起算して五年を経過する日までの間に限り行うことができる」
 「同5項  厚生労働大臣は、1項の規定による認定の申請があった場合において、当該申請をした自主解散型基金が当該申請の日までに業務の運営について相当の努力をしたものとして政令で定める要件に適合すると認めるときは、その認定をするものとする」
 「同6項 厚生労働大臣は、前項の認定をしようとするときは、あらかじめ、社会保障審議会の意見を聴かなければならない」
 「同7項(要旨) 政府は、認定を受けた自主解散型基金が解散したときは、責任準備金相当額に代えて、減額責任準備金相当額を当該自主解散型基金から徴収するものとする」
 自主解散型納付計画の承認(改正法附則12条)法改正(H26.04.01)
 「自主解散型基金及びその設立事業所の事業主は、それぞれ、責任準備金相当額のうち自らが納付すべき額について、その納付に関する計画(「自主解散型納付計画」)を作成し、厚生労働省令で定めるところにより、これを厚生労働大臣に提出して、当該自主解散型納付計画について適当である旨の承認を受けることができる」
 「同2項 前項の承認の申請は、施行日から起算して五年を経過する日までの間において、当該自主解散型基金及びその設立事業所の事業主が同時に行わなければならない」
 自主解散型基金等が解散した場合の費用の徴収(H25改正法附則13条)法改正(H26.04.01)
 「自主解散型基金及びその設立事業所の事業主が前条1項(自主解散型納付計画)の承認を受けた場合において、当該自主解散型基金が附則5条1項の規定によりなおその効力を有するものとされた改正前厚生年金保険法145条1項1号(代議員会の議決)又は2号(基金事業の継続の不能)の規定により解散したとき(当該解散した日における年金給付等積立金の額が責任準備金相当額を下回る場合に限る)は、
 政府は、附則8条の規定にかかわらず、責任準備金相当額を徴収するに当たり、当該自主解散型基金から当該解散した日における年金給付等積立金の額を徴収し、その設立事業所の事業主から責任準備金相当額から当該年金給付等積立金の額を控除した額を当該事業主の自主解散型納付計画に基づき徴収する。
 この場合において、附則5条1項の規定によりなおその効力を有するものとされた改正前厚生年金保険法138条6項(掛金の一括徴収)の規定等は適用しない」
⇒自主解散型基金が解散したときは、政府はまず、解散した日における年金給付等積立金の額を徴収し、残り(責任準備金相当額ー積立金徴収額)については、設立事業所の事業主からを自主解散型納付計画に基づき徴収する.。
 「同2項 政府は、前項の規定による徴収を行うに当たり、当該自主解散型基金の設立事業所の事業主の自主解散型納付計画に基づいて、納付の猶予をするものとする」
⇒責任準備金相当額の残りの部分を猶予(実際には分割納付)期間内に納付することができないやむを得ない理由があると認められるときは、猶予期間の延長(15年、業務の運営について著しく努力をしたこと等について厚生労働大臣による認定を受けた場合のは最大30年)ができる。
 なお、分割納付には一定の加算金がつく。
 清算型基金の指定(H25改正法附則19条)法改正(H26.04.01)
 「厚生労働大臣は、事業年度の末日における年金給付等積立金の額が責任準備金相当額に政令で定める率(0.8)を乗じて得た額を下回ることその他その事業の継続が著しく困難なものとして政令で定める要件に適合する存続厚生年金基金であって、この項の規定による指定の日までに業務の運営について相当の努力をしたものとして政令で定める要件に適合すると認めたものを清算型基金として指定することができる」
⇒積立金不足であるにもかかわらず自主的には解散しない基金であっても、業務の運営について相当の努力をしたなど一定の要件を満たしている基金に対しては、厚生労働大臣が清算型基金として指定し、自主解散型基金に準じて、解散しやすい特例を与えることができるようにした。
⇒清算型基金の指定を受けた場合は、その翌月から代行部分を除いた上乗せ給付は支給停止としなければならない。
 「同2項 前項の規定による指定は、施行日から起算して五年を経過する日までの間に限り行うことができる」
 「同7項 清算型基金は、当該清算型基金の清算に関する計画(「清算計画」)を作成し、厚生労働省令で定めるところにより、これを厚生労働大臣に提出して、その承認を受けなければならない」
 「同9項 清算型基金は、7項の承認を受けたときは、附則5条1項の規定によりなおその効力を有するものとされた改正前厚生年金保険法145条1項の規定にかかわらず、解散する」
 清算型基金が解散する場合における責任準備金相当額の特例(改正法附則20条) 法改正(H26.04.01)
 「清算型基金は、前条7項の承認の申請をする際に、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣に対し、責任準備金相当額の減額を可とする旨の認定を申請することができる」
  「同2項 厚生労働大臣は、前項の規定による認定の申請があった場合において、当該申請をした清算型基金が当該申請の日までに業務の運営について相当の努力をしたものとして政令で定める要件に適合すると認めるときは、その認定をするものとする」
 清算型納付計画の承認を受けて解散した場合における責任準備金相当額の納付の猶予等(H25改正法附則22条)法改正(H26.04.01)
 「清算型基金及びその設立事業所の事業主が前条1項(清算型納付計画)の承認を受けた場合において、当該清算型基金が解散したとき(解散した日における年金給付等積立金の額が責任準備金相当額を下回る場合に限る)は、政府は、附則第八条の規定にかかわらず、責任準備金相当額を徴収するに当たり、当該清算型基金から当該解散した日における年金給付等積立金の額を徴収し、その設立事業所の事業主から責任準備金相当額から当該年金給付等積立金の額を控除した額を当該事業主の清算型納付計画に基づき徴収する。
 この場合において、附則5条1項の規定によりなおその効力を有するものとされた改正前厚生年金保険法138条6項の規定等は適用しない」
 「同2項 政府は、前項の規定による徴収を行うに当たり、当該清算型基金の設立事業所の事業主の清算型納付計画に基づいて、納付の猶予をするものとする」

 施行日から五年を経過した日以後における解散命令の特例(改正法附則33条)法改正(H26.04.01)
 「施行日(H26.04.01)から起算して五年を経過した日以後において、存続厚生年金基金(附則11条1項の規定による認定の申請又は附則12条1項の承認の申請をしている自主解散型基金及び清算型基金を除く)が次の各号のいずれにも該当するときは、厚生労働大臣は、当該存続厚生年金基金が附則5条1項の規定によりなおその効力を有するものとされた改正前厚生年金保険法179条5項(解散命令)4号に該当するものとみなすことができる」
@存続厚生年金基金の事業年度の末日(基準日)における年金給付等積立金の額が、当該基準日における当該存続厚生年金基金の加入員及び加入員であった者に係る責任準備金相当額に1.5を乗じて得た額を下回るとき。
A基準日における年金給付等積立金の額が、当該基準日における当該存続厚生年金基金の加入員及び加入員であった者に係る責任準備金相当額+当該基準日までの加入員であった期間に係る年金又は一時金たる給付に要する費用の額の予想額計算値を下回るとき。
⇒施行日から5年を経過しても解散せず、かつ準備金不足が一定以上である基金に対しては、厚生労働大臣は、あらかじめ社会保障審議会の意見を聴いた上で、基金の解散を命ずることができる。
一般29
9A

 厚生年金保険法の改正により平成26年4月1日以降は、経過措置に該当する場合を除き新たな厚生年金基金の設立は認められないこととされた。

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正しい 誤り
1. 目的(106条) 法改正(H26.04.01削除)
 「厚生年金基金は、加入員の老齢について給付を行ない、もって加入員の生活の安定と福祉の向上を図ることを目的とする」

 組織(107条) 法改正(H26.04.01削除)
 「基金は、適用事業所の事業主及びその適用事業所に使用される被保険者をもって組織する」
 基金の機能・役目
 
厚生年金基金には、
 @政府による厚生年金事業を代行する公的年金機能(報酬比例部分(再評価分・物価スライド分を除く)の給付)とこれに上乗せ給付する機能
 A企業独自に退職金等を年金として支払う企業年金の機能、がある。
11
選択


社保一般
 厚生年金基金は、加入員の| A |について給付を行い、もって加入員の| B |と福祉の向上を図ることを目的としている。
 基金は、基金が支給する年金給付及び| C |たる給付に関する事業に要する費用に充てるため| D |を徴収する。
 | D |は、年金給付の額の計算の基礎となる|  E |につき、徴収するものとする。(基礎)

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記述式につき、語群はなし

















2.設立 法改正(H26.04.01削除、今後新たな基金の設立は認められない)
 「110条1項 一又は二以上の適用事業所について常時政令で定める数(1000人)以上の被保険者を使用する事業主は、当該一又は二以上の適用事業所について、基金を設立することができる」
 「110条2項 適用事業所の事業主は、共同して基金を設立することができる。
 この場合において、被保険者の数は、合算して常時政令で定める数(5,000人、業務、資本その他について密接な関係を有するものとして厚生労働省令で定める要件に該当する場合にあっては、1,000人、基金令1条法改正)以上でなければならない」
 単独設立  1,000人以上 ○一ないし複数の事業所を有する一つの企業が単独で設立
 連合設立  原則として1,000人以上 ○業務・資本等において密接な関係を有する複数企業が共同で設立
 たとえば、
 ・主力企業を中心とする2以上の企業が設立
 ・一つの親企業と、その資本系列にある関連グループ企業が設立
 ・主力企業を除いた関連グループ企業が設立
 総合設立  5,000人以上 ○5,000人以上の被保険者数が見込める複数企業が共同で設立
 たとえば、
 ・複数企業を束ねる組織母体がある企業群が設立
 ・ひとつの健康保険組合をもつ企業群が設立

 「111条1項 適用事業所の事業主は、基金を設立しようとするときは、基金を設立しようとする適用事業所に使用される被保険者の2分の1以上の同意を得て、規約をつくり、厚生労働大臣の認可を受けなければならない」
⇒ 設立するのは、
  @1/2以上の同意、
  A規約、
  B厚生労働大臣の認可が必要。
 「111条2項 前項の場合において、適用事業所に使用される被保険者の3分の1以上で組織する労働組合があるときは、事業主は、同項の同意のほか、当該労働組合の同意を得なければならない」
 「111条3項 二以上の適用事業所について基金を設立しようとする場合においては、前2項の同意は、各適用事業所について得なければならない」
 「113条 基金は、設立の認可を受けた時に成立する」
 「114条 基金が成立したときは、理事長が選任されるまでの間、基金の設立の認可の申請をした適用事業所の事業主が、理事長の職務を行なう。この場合において、当該適用事業所の事業主は、この章の規定の適用については、理事長とみなす」
一般24
8B

 厚生年金基金は、昭和45年の厚生年金保険法の改正により導入されたが、その設立形態には単独設立、連合設立の2タイプがある。(基礎)

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正しい 誤り
11
3D
 一又は二以上の適用事業所について、常時500人以上の被保険者を使用する事業主は、厚生年金基金を設立することができる。(基礎)

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正しい 誤り
17
4C
 一の適用事業所の事業主が他の適用事業所の事業主と業務、資本その他について密接な関係を有する者として厚生労働省令で定める要件に該当する場合にあっては、合算して常時1,000人以上の被保険者数があるときに、共同して基金を設立することができる。(基礎)

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正しい 誤り
21
選択
 1又は2以上の適用事業所について常時| A |人以上の被保険者を使用する事業主は、当該1又は2以上の適用事業所について、厚生年金基金(以下「基金」という)を設立することができる。
 適用事業所の事業主は、共同して基金を設立することができる。この場合において、被保険者の数は、合算して常時| B |(ただし、上記の適用事業所の事業主が他の適用事業所の事業主と業務、資本その他について密接な関係を有するものとして厚生労働省令で定める要件に該当する場合にあっては、| A |)人以上でなければならないとされている。
 基金の設立の認可の申請は、設立しようとする基金の主たる事務所を設置しようとする地を管轄する| C |等を経由して行うものとする。(11-3D17-4Cの類型、発展)

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語群はこちらを

11
3B
 適用事業所の事業主は、厚生年金基金を設立しようとするときは、厚生年金基金を設立しようとする適用事業所に使用される被保険者の2分の1以上の同意を得なければならない。(基礎)

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正しい 誤り
21
3C
 適用事業所の事業主が基金を設立しようとするときは、当該事業所に労働組合があるときは当該労働組合の同意のほか、使用される被保険者の3分の1以上の同意を得て、規約をつくり、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。(基礎)

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正しい 誤り
13
4A
 二以上の適用事業所が共同して厚生年金基金を設立するときは、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。
 設立には被保険者の2分の1以上の同意を必要とする。さらに被保険者の3分の1以上で組織される労働組合がある場合には、当該労働組合の同意も得なければならない。(21-3Cの類型)

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正しい 誤り
11
3E
 厚生年金基金が設立したときは、理事長が選任されるまでの間、厚生年金基金の設立の認可の申請をした適用事業所の事業主が、理事長の職務を行う。(基礎)

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正しい 誤り





3.規約(115条) 法改正(H26.04.01削除、ただし存続厚生年金基金については暫定的に適用)
 「基金は、規約をもって次に掲げる事項を定めなければならない。
  @名称・所在地等、
  A代議員会、役員、加入員など、
  B標準給与、C年金・一時金の給付、
  C掛金、
  D解散、
  E業務の委託その他」
 「2項 前項の規約の変更(政令で定める事項に係るものを除く)は、厚生労働大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない」
 「3項 基金は、前項の政令で定める事項に係る規約の変更をしたときは、遅滞なく、これを厚生労働大臣に届け出なければならない」
 「4項 基金は、設立の認可を受けたとき、又は前項の規約の変更をしたときは、遅滞なく、基金の規約を適用事業所に使用される被保険者に周知させなければならない」法改正
15
5C
 事業主が厚生年金基金を設立するときには規約を作成することになっているが、当該規約の作成及び変更については、すべて厚生労働大臣の認可を得なければその効力を生じない。(基礎)

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正しい 誤り
18
6B
 厚生年金基金の設立時に作成される規約及びその後変更される規約は、政令で定められた規約の変更に関するものを除き、厚生労働大臣の認可を受けなければその効力を生じない。(15-5Cの類型)

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正しい 誤り






委託








4.基金の業務(130条) 法改正(H26.04.01削除、ただし存続厚生年金基金については暫定的に適用) 給付の詳細はこちらを
 「基金は、その目的を達成するため、加入員又は加入員であった者の老齢に関し、年金たる給付(老齢年金給付)の支給を行うものとする」
4.1 業務の委託(130条5項) 法改正(H26.04.01削除、ただし存続厚生年金基金については暫定的に適用) 法改正(H23.08.10)
 「基金は、その業務(加入員又は加入員であつた者に年金たる給付又は一時金たる給付の支給を行うために必要となるその者に関する情報の収集、整理又は分析を含む)の一部を、政令で定めるところにより、信託会社(信託業法の免許を受けたものに限る)、信託業務を営む金融機関、生命保険会社、農業協同組合連合会(全国を地区とし、農業協同組合法の事業のうち生命共済の事業を行うものに限る)、企業年金連合会その他の法人に委託することができる」
⇒たとえば元加入者の住所等の情報は、基金⇒連合会⇒地方公共団体情報システム機構のルートが利用可能に。
4.2 年金給付等積立金 法改正(H26.04.01削除 、ただし存続厚生年金基金については暫定的に適用)
 年金たる給付及び一時金たる給付に要する費用に関する契約(130条の2)
 「基金は、年金たる給付及び一時金たる給付に要する費用に関して、信託会社、信託業務を営む金融機関、生命保険会社若しくは農業協同組合連合会と信託、保険若しくは共済の契約を締結し、
 又は金融商品取引業者と投資一任契約(金融商品取引法第2条第8項第12号ロに規定する契約)を締結するときは、政令で定めるところによらなければならない」
 「2項 基金は、前項に規定する投資一任契約を締結する場合においては、当該投資一任契約に係る年金たる給付等積立金(年金たる給付及び一時金たる給付に充てるべき積立金)について、政令の定めるところにより、信託会社又は信託業務を営む金融機関と運用方法を特定する信託の契約を締結しなければならない」
 年金給付等積立金の積立て(136条の2)
 「基金は、政令の定めるところにより、年金給付等積立金を積み立てなければならない」
⇒年金給付等積立金とは、基金が将来において年金や一時金を支給するために必要な資金にあてるべく積み立てているお金。
  年金給付等積立金の積立て(基金令39条の2)
 「基金は、毎事業年度の末日において、年金給付等積立金を積み立てなければならない」
 「2項 年金給付等積立金の額は、加入員及び加入員であつた者に係る責任準備金の額を下らない額でなければならない
 「3項 前項の責任準備金の額は、基金が支給する年金たる給付及び一時金たる給付に要する費用の額の予想額の現価から掛金収入の額の予想額の現価を控除した額を基準として、厚生労働大臣の定めるところにより計算した金額とし、
 当該計算を行う場合の現価の計算に用いる予定利率は、当該基金が年金たる給付等積立金の運用収益の予測に基づき合理的に定めた率とする」  
 責任準備金=将来予想される給付額の現価 − 将来期待される掛金収入の現価
          (いずれも、予定利率を考慮して現価((現在の価値に換算した値)を求める)
 最低積立基準額(基金令39条の3) 
 「基金は、前条1項の規定により年金給付等積立金を積み立てるときは、同条2項の規定によるほか、最低積立基準額を下らない額を積み立てなければならない」
 最低積立基準額=当該基金の加入員及び加入員であつた者について、
  当該事業年度の末日までの加入期間に係る年金給付又は一時金給付に要する額(代行分を除く)の予想額の現価(すなわち付加給付分に必要な金額) +  基金が解散した場合に連合会から給付する年金又は一時金給付に要する費用として連合会から徴収される責任準備金に相当する額(責任準備金相当額)  
4.3 年金給付等積立金の運用(136条の3抜粋) 法改正(H26.04.01削除、ただし存続厚生年金基金については暫定的に適用)
 「年金給付等積立金は、次に掲げる方法により運用しなければならない」
 @信託会社又は信託業務を営む金融機関への信託
 A生命保険会社若しくは農業協同組合連合会への保険料又は共済掛金の払込み
 B金融商品取引業者との投資一任契約であって政令で定めるものの締結。
 Cいわゆる自家運用(インハウス運用)
・金融機関、金融商品取引業者その他政令で定めるものを相手方とする受益証券の売買、預金・貯金、資金の貸付、手形割引など
・金融機関、金融商品取引業者その他政令で定めるものを相手方とする有価証券(株式を除く)の売買、株式のインデックス運用、各種オプションなど
 年金給付等積立金の運用に関する基本方針等(136条の4)法改正(H26.04.01削除、ただし存続厚生年金基金については暫定的に適用)
 「基金は、年金給付等積立金の運用に関して、運用の目的その他厚生労働省令で定める事項を記載した基本方針を作成し、当該基本方針に沿って運用しなければならない」
 運用の基本方針(基金規則42条) 法改正(H25.04.01)
 「法136条の4に規定する厚生労働省令で定める事項は、次に掲げる事項とする」
 @年金給付等積立金の運用の目標に関する事項
 A運用に係る長期にわたり維持すべき資産の構成割合(いわゆる基本ポートフォリオ)に関する事項
 B136条の3の@からBに規定する信託会社、信託業務を営む金融機関、生命保険会社、農業協同組合連合会又は金融商品取引業者(運用受託機関)の選任に関する事項
 C運用受託機関の業務に関する報告の内容及び方法に関する事項
 D運用受託機関の評価に関する事項
 E運用業務に関し遵守すべき事項
 F前各号に掲げるもののほか、運用業務に関し必要な事項
 「同3項 法改正(H25.04.01) 基金は、1項2号に規定する事項(基本ポートフォリオ)を定める場合において、専門的知識及び経験を有する者から意見を聴取しなければならない」
4.4 健全化計画(178条の2) 法改正(H26.04.01削除) 法改正
 「年金給付等積立金の額が政令で定める額を著しく下回る基金であって、政令で定める要件に該当するものとして厚生労働大臣の指定を受けたもの(指定基金)は、政令で定めるところにより、その財政の健全化に関する計画(健全化計画)を定め、厚生労働大臣の承認を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする」
 「2項 前項の承認を受けた指定基金は、当該承認に係る健全化計画に従い、その事業を行わなければならない」
 「3項 厚生労働大臣は、1項の承認を受けた指定基金の事業及び年金給付等積立金の状況により、その健全化計画を変更する必要があると認めるときは、当該指定基金に対し、期限を定めて健全化計画の変更を求めることができる」
 指定基金の要件(基金令55条の5)(H26.04.01廃止)
 「法178条の2の政令で定める額は、最低積立基準額とする」
 「2項 法改正(H23.11.16) 法178条の2の政令で定める要件は、次の各号のいずれかに該当することとする」
 @直近3年間に終了した各事業年度の末日において、年金給付等積立金の額が、責任準備金相当額に10分の9を乗じて得た額を下回つていること。
 A直近に終了した事業年度の末日における年金給付等積立金の額が、責任準備金相当額に10分の8を乗じて得た額を下回つていること。
 健全化計画(基金令55条の6)(H26.04.01廃止)
 「法178条の2に規定する健全化計画は、同条1項の規定による指定の日の属する年度の翌年度を初年度とする5箇年間の計画とする」
  「2項 健全化計画には、次に掲げる事項を記載しなければならない」
  @事業及び財産の現状
  A財政の健全化の目標
  B前号の目標を達成するために必要な具体的措置及びこれに伴う収入支出の増減の見込額  
4.5 基金の行う事務 法改正(H26.04.01削除)
 業務報告書の提出(基金規則56条)
 「基金は、毎年3月、6月、9月及び12月の末日における各四半期ごとの業務についての報告書2通を作成し、それぞれ翌月15日までに、厚生労働大臣に提出しなければならない」
 「同2項 法改正(H25.04.01)前項の規定にかかわらず、基金は、毎事業年度、年金給付等積立金の管理運用業務についての報告書を2通作成し、運用の基本方針を添えて、翌事業年度9月30日までに、厚生労働大臣に提出しなければならない」
4.6 その他
 過去期間代行給付現価に係る政府の負担(附則30条)
 「当分の間、政府は、基金の事業年度の末日における161条1項に規定する責任準備金に相当する額(責任準備金相当額)が過去期間代行給付現価の額に照らし政令で定めるところにより算定した額を下回っている場合には、政令で定めるところにより、当該基金に対して、当該下回っている額のうち政府が負担することが適当であるものとして政令で定めるところにより算定した額を交付するものとする」
 「2項「過去期間代行給付現価の額は、当該基金の当該基金の加入員及び加入員であった者について当該事業年度の末日までの加入員であった期間に係る132条(代行給付額の水準)2項に規定する額に相当する年金たる給付に要する費用の額の予想額を計算し、これらの予想額の合計額の現価として政令で定めるとところにより計算した額とする」
13
4C

 

 厚生年金基金は、その業務の一部を信託会社(信託業を営む銀行を含む)、生命保険会社、農業協同組合連合会、企業年金連合会その他政令で定める法人に委託することができる。
 なお、年金数理業務については、信託会社、生命保険会社及び農業協同組合連合会に委託することができるが、企業年金連合会に対しては委託することはできない。(基礎)

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20
8D
 厚生年金基金がその業務の一部を委託することができる法人は、信託業務を営む金融機関、生命保険会社、農業協同組合連合会(農業協同組合法に規定される事業のうち、生命共済の事業を行うものに限る)及び企業年金連合会に限られる。(13-4Cの類型)

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22
9C

 基金は、年金給付等積立金の運用について、金融商品取引業者との投資一任契約の締結を行うことができる。この場合、金融商品取引法第2条第8項第12号ロに規定する投資判断の全部を一任することを内容とするものでなければならない。{難問)

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17
3C
 年金給付積立金の額が最低積立基準額を著しく下回り、直近の2年間に終了した各事業年度の年度の末日における年金給付金の額が責任準備金相当額の10分の9を下回る基金で、厚生労働大臣の指定を受けたものは、指定日の属する年度の翌年度を初年度とし、5年間の期間で財政の健全化に関する計画を定め、厚生労働大臣の承認を得なければならない。(24年改、難問)

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22
9D
 直近の3年間に終了した各事業年度の末日における年金給付金等積立金の額が、責任準備金相当額の10分の9を乗じて得た額を下回るものとして、厚生労働大臣の指定を受けた指定基金は、財政の健全化に関する計画を定めて厚生労働大臣の承認を得なければならない。(24年改、17-3Cの類型)

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22
9E

 当分の間、政府は、基金の事業年度の末日における責任準備金相当額が過去期間代行給付現価(基金が支給する老齢年金の代行給付について、将来予想される費用の現在価値)に2分の1を乗じて得た額を下回っている場合には、当該下回っている額に5分の1を乗じて得た額(ただし、責任準備金相当額が過去期間代行給付現価の額に4分の1を乗じて得た額を下回っているときは、当該下回っている額)を当該基金の申請に基づいて翌事業年度に交付するものとする。(難問)

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5.設立事業所の増加・減少(144条) 法改正(H26.04.01削除、ただし存続厚生年金基金については暫定的に適用)
 「基金がその設立事業所を増加させ又は減少させるには、その増加又は減少に係る適用事業所の事業主の全部及びその適用事業所に使用される被保険者の2分の1以上の同意を得なければならない」
 「2項 基金がその設立事業所を増加させる場合において、その増加に係る適用事業所に使用される被保険者の3分の1以上で組織する労働組合があるときは、前項の同意のほか、当該労働組合の同意を得なければならない」
 「3項 前2項の場合において、その増加又は減少に係る適用事業所が二以上であるときは、1項の被保険者の同意又は前項の同意は、各適用事業所について得なければならない」
 増加:新たな事業所の加入、子会社など未加入だった事業所の編入など
 減少:脱退、事業所の倒産・廃止など
⇒ 減少の場合は労働組合の同意は不要。
15
5E
 厚生年金基金が設立事業所を増加させるときは、その増加に係る適用事業所の事業主の全部及びその適用事業所に使用される被保険者の2分の1以上の同意のほか、その増加に係る適用事業所の被保険者の3分の1以上で組織される労働組合があるときはその組合の同意を必要とする。(基礎)

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6-1 合併(142条)  法改正(H26.04.01削除、ただし存続厚生年金基金については暫定的に適用) 附則4条2項参照のこと。
 「基金は、合併しようとするときは、代議員会において代議員の定数の3分の2以上の多数により議決し、厚生労働大臣の認可を受けなければならない」
 「3項 合併により設立された基金又は合併後存続する基金は、合併により消滅した基金の権利義務を承継する」
 「4項 基金が合併したときは、合併により消滅した基金の加入員であった者の当該基金の加入員であった期間は、合併により設立された基金又は合併後存続する基金の加入員であった期間とみなす。ただし、企業年金連合会又は他の基金がその支給に関する義務を承継している老齢年金給付の額の計算の基礎となる基金の加入員であった期間については、この限りでない」
⇒ 既に、老齢年金給付の額の計算の基礎となった期間は二重にカウントしない。
6-2 分割(143条) 法改正(H26.04.01削除、ただし存続厚生年金基金については暫定的に適用) 附則4条2項参照のこと。
 「基金は、分割しようとするときは、代議員会において代議員の定数の3分の2以上の多数により議決し、厚生労働大臣の認可を受けなければならない」
 「3項 分割を行う場合においては、分割により設立される基金の加入員となるべき被保険者又は分割後存続する基金の加入員である被保険者の数は、政令で定める数以上でなければならない」
 「5項 分割により設立された基金は、分割により消滅した基金又は分割後存続する基金の権利義務の一部を承継する」
 「6項 前項の規定により承継する権利義務の限度は、分割の議決とともに議決し、厚生労働大臣の認可を受けなければならない」
13
4B
 平成26年4月1日改正前の厚生年金法本則によれば、厚生年金基金を合併若しくは分割する場合には、代議員会において、代議員の定数の4分の3以上の多数による議決を経て厚生労働大臣の認可を受けなくてはならない。(H26改)(基礎)

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7.解散(145条) 法改正(H26.04.01削除、ただし存続厚生年金基金については暫定的に適用) 附則4条2項参照のこと。
 「基金は、次に掲げる理由により解散する」
1  代議員の定数の3分の2以上の多数による代議員会の議決
2  基金の事業の継続の不能
3  厚生労働大臣による解散の命令

 「2項 基金は、前項1号又は2号に掲げる理由により解散しようとするときは、厚生労働大臣の認可を受けなければならない」
 基金の解散による年金たる給付等の支給に関する義務等の消滅(146条,、ただし存続厚生年金基金については暫定的に適用) 法改正(17.10.1一部改正)
 「基金は、解散したときは、当該基金の加入員であった者に係る年金たる給付及び一時金たる給付の支給に関する義務を免れる。
 ただし、解散した日までに支給すべきであった年金たる給付又は一時金たる給付でまだ支給していないものの支給に関する義務、他の基金、確定給付企業年金又は確定拠出年金へ解散した日までに移換すべきであった年金給付等積立金若しくは脱退一時金相当額でまだ移換していないものの移換に関する義務については、この限りではない」
⇒基金が最低責任準備金を企業年金基金連合会に納付して解散した場合は、代行部分の年金給付は連合会が行うことになり、基金からの支給義務はなくなる。
 脱退一時金についても連合会、他の基金、企業年金等に必要な原資を移換することにより、やはり支給義務がなくなる。
 解散しようとする基金による年金の支給義務の特例(附則32条)
 「当分の間、解散しようとする基金又は確定給付企業年金法の規定により企業年金基金となろうとする基金は、政令で定めるところにより、代議員会において代議員の定数の4分の3以上の多数により議決し、厚生労働大臣の認可を受けて、当該認可を受けた日以降の当該基金の加入員であつた期間に係る132条2項に規定する額に相当する老齢年金給付の支給に関する義務を免れることができる」 
 「2項3号 前項の規定により認可を受けた基金のこの法律その他の法令の規定の適用については、81条の3(免除保険料率の決定等)、139条7項及び8項(育児休業等期間中の免除保険料の免除)その他の規定を適用しない」
⇒代行返上の認可を受けて解散した基金あるいは企業年金基金となった基金については、代行部分の年金は国から支給されることになり、免除保険料率の適用もなくなる。
 解散時における基金の義務
(1)解散日までに支給すべき年金又は一時金があればすべて支給する。
(2)解散後に支給する年金又は一時金の原資として、最低責任準備金を161条に基づいて連合会に納付する。
  (最低責任準備金の積立て不足があれば、138条6項に基づき、事業主からその不足分を一括徴収する)
(3)積立金にまだ余裕がある場合はこれを処分する。(加入員、受給者等に、一時金として支給、あるいは連合会に移換してプラスアルファ年金として支給、確定拠出年金制度に移換するなど) 
7' 積立金に不足があり通常の解散ができない場合 H26.04.01以降についてはこちらを参照のこと。
(1)平成26年4月1日前に解散した特定基金が清算未了特定基金型納付計画の承認を受けた場合における責任準備金相当額の納付の猶予については、原則として自主解散型基金に準じた扱いとなる。
(2)平成26年4月1日以降の解散についてはこちらを参照のこと
(3)以下は、平成26年4月1日前まで有効であった規定の概要。
 解散の特例措置(附則33条) 現在は失効 法改正(H17.04.01)
 「4分の3以上の多数による代議員会の議決または、基金の事業の継続の不能により解散をしようとする基金(平成17年4月1日前に設立されたものに限る)であって、当該解散をしようとする日において年金給付等積立金の額が責任準備金相当額を下回っていると見込まれるもの(特定基金)は、厚生労働大臣に対して、責任準備金相当額の減額を申し出ることができる」
 「同2項 前項の申出は、平成17年4月1日から起算して3年を経過する日までの間に限り行うことができる」
 特定基金が解散する場合における責任準備金相当額の特例(旧附則33条) 法改正(H26.04.01削除)、法改正(H23.08.10)
 「145条1項1号(4分の3以上の多数による代議員会の議決)又は2号(基金の事業の継続の不能)に掲げる理由により解散をしようとする基金(平成23年8月10日より前に設立されたもの(同日以後にに当該基金が合併し、又は分割したことにより設立されたものを含む)に限る)であつて、当該解散をしようとする日において年金給付等積立金の額が責任準備金相当額を下回つていると見込まれるもの(特定基金)は、厚生労働大臣に対して、責任準備金相当額の減額を申し出ることができる」
 「同2項 法改正(H23.08.10)前項の申出は、平成23年8月10日から起算して5年を経過する日までの間に限り行うことができる」
 「同3項  政府は、1項の申出を行つた特定基金であつて、当該申出の日まで業務の運営について相当の努力をし、かつ、当該申出の日以後の事業の継続が困難であると見込まれるものとして政令で定める要件に適合すると厚生労働大臣が認めたものが解散したときは、
 責任準備金相当額に代えて、当該特定基金の加入員及び加入員であつた者が加入員でなかつたとしたときに年金特別会計の厚生年金勘定の積立金が増加する額として政令で定めるところにより算定した額又は
 当該特定基金の年金給付等積立金の額
 のうちいずれか大きい方の額(減額責任準備金相当額)を、当該解散した特定基金から徴収する」
 特定基金が解散する場合における責任準備金相当額の納付の猶予等(附則34条) 法改正(H26.04.01削除)
 「特定基金は、責任準備金相当額の納付に関する計画(納付計画)を作成し、厚生労働省令で定めるところにより、これを厚生労働大臣に提出して、その納付計画が適当である旨の承認を受けることができる」
 「同2項 法改正(H23.08.10)前項の承認の申請は、平成23年8月10日から起算して5年を経過する日までの間に限り行うことができる」
 「4項 厚生労働大臣は、1項の承認の申請があつた場合において、当該申請に係る納付計画が、前項の納付の猶予を受けようとする期間が5年以内(5年以内に納付することができないやむを得ない理由があると認められるときは、10年以内)であることその他厚生労働省令で定める要件に適合するものであると認めるときは、その承認をするものとする」
⇒猶予の期間は、5年以内(やむをえな理由があると認められるときは10年以内)
 「同5項 政府は、承認を受けた特定基金が解散したときは、責任準備金相当額を当該解散した特定基金から徴収するに当たり、当該納付計画に基づいて、納付の猶予をするものとする」
 猶予期間の延長(附則35条)法改正(H23.08.10) 法改正(H26.04.01削除)
 「厚生労働大臣は、政府が前条5項の規定により納付の猶予をした場合において、その納付計画の期間内にその猶予がされた金額を納付することができないやむを得ない理由があると認めるときは、当該特定基金の申請に基づき、
 その納付の猶予を受けようとする期間の延長その他の納付計画の変更を承認することができる。
 ただし、その期間は、既に当該特定基金につき納付計画に基づいて猶予をした期間と併せて15年を超えることができない」
⇒猶予期間の延長は最長で15年
11
3C
 平成26年4月1日改正前の厚生年金法本則によれば、厚生年金基金を解散しようとするときは、加入員の4分の3以上の同意を得なければならない。(H26改)(基礎)

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20
3B
 平成26年4月1日改正前の厚生年金法本則によれば、基金は、厚生労働大臣の解散命令によるほかは、代議員会において代議員の定数の4分の3以上の多数により議決し、厚生労働大臣の認可を受けることによってのみ解散することができる。(H26改(基礎)

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17
3E
 平成17年4月1日前に設立した厚生年金基金であって、当該基金が事業の継続の不能を理由とし、厚生労働大臣の認可を得て解散しようとする特定基金は、平成17年4月1日から起算して3年を経過する日までの間にある限り、責任準備金相当額の減額を厚生労働大臣に申し出ることができる。(難問)

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21
3A
 基金が解散したときの年金たる給付に関しては、当該基金は加入者であった者に係る年金たる給付の支給に関する義務を免れるが、解散した日までに支給すべきであった年金たる給付がある場合は、この支給の義務については免れないこととされている。(基礎)

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8.監督(179条)法改正(H26.04.01削除、ただし存続厚生年金基金については暫定的に適用)
 「厚生労働大臣は、報告を徴し、又は立入検査等により、基金の事業の管理若しくは執行が法令等に違反していると認めるとき、もしくは著しく適正を欠くと認めるとき、期間を定めて、基金又はその役員に対し、違反の是正又は改善のため必要な措置をとるべき旨を命ずることができる」
 「2項 厚生労働大臣は、基金の事業の健全な運営を確保するため必要があると認めるときは、期間を定めて、その規約の変更を命ずることができる」
 「3項 基金若しくはその役員が1項の命令に違反したとき、又は基金が前項の命令に違反したときは、厚生労働大臣は、当該基金に対し、期間を定めて、当該違反に係る役員の全部又は一部の改任を命ずることができる」
 「4項 基金が前項の命令に違反したときは、厚生労働大臣は、役員を改任することができる」
 「5項 厚生労働大臣は、基金が次の各号のいずれかに該当するときは、当該基金の解散を命ずることができる」
1  1項の規定による命令に違反したとき
2  指定基金が健全化計画に従って事業を行わなかったとき(削除)
3  指定基金の健全化計画の変更の求めに応じないとき(削除)
4  その事業の状況によりその事業の継続が困難であると認めるとき
13
4E
 厚生労働大臣は、厚生年金基金に対し、その事業並びに管理が著しく適正を欠くと認めたときは、改善、是正のために必要な処置を命じ、なお必要な場合には厚生年金基金に解散を命ずることができる。しかし、企業年金連合会に対しては解散を命ずることができない。(応用)

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