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 た行の巻
KeyWords  代行代行返上第三種被保険者(厚生年金法)、直ちに・遅滞なく・すみやかに中央・地方社会保険医療協議会
 中小事業主通達〜等
 電子情報処理組織
 特定業種退職金共済制度特定退職金共済制度
 特定個人情報
   特定法人 
 特定疾病督促状
 独立行政法人地方独立行政法人特定地方独立法人一般地方独立法人
 代行(だいこう)
 厚生年金基金が、老齢厚生年金(報酬比例部分)のうち賃金の再評価分と物価スライド分を除いた年金を、国に代わって給付すること。
 この場合、賃金の再評価分と物価スライド分に相当する年金は、国から支払われる。
 なお、この代行部分に加えて、基金が上乗せする給付をプラスアルファ部分という。 

 代行返上(だいこうへんじょう)
 厚生年金基金が解散手続きをする前に、それまで行ったきた代行部分を国に返し、それまでに基金が独自に行っていたプラスアルファ部分を確定給付企業年金へ移行することをいう。
 平成14年にから確定給付企業年金法が施行開始され、この代行返上が可能になった。
 具体的には、
 @)将来期間の代行分に相当する厚生年金報酬比例部分の支給義務停止(将来返上)と、
 A)過去期間分に係る積立金(最低責任準備金相当額)の返上(過去返上)を行い、
 Bプラスアルファ部分給付のために積立ててきた資産を確定給付企業年金に移換する。 
 これにより、厚生年金基金は消滅又は解散したものとみなされる。
 なお、上記とは異なって、単に基金を解散し(最低責任準備金相当額を返納し)、その結果当然のことながら代行ができなくなることも代行返上ということが多いが、正確にはこれは間違い。

 第三種被保険者(だんさんしゅひほけんしゃ)(厚生年金法)
 @鉱業法に規定する事業の事業場に使用され、かつ、常時坑内作業に従事する厚生年金保険法による被保険者、又は
 A船員法に規定する船員として厚生年金保険法に規定する船舶に使用される同法による被保険者であつて、第4種被保険者及び船員任意継続被保険者以外の者。
 直ちに・遅滞なく・すみやかに(ただちに・ちたいなく・すみやかに)
 
いずれも時間的に早くということであるが、ニュアンスに若干の違いがある。
 時間的な切迫度からいうと、直ちに、すみやかに、遅滞なく、の順である。
 正確さにはかけるが、そのニュアンスの違いとは、
@  直ちに  有無をいわさずいの一番に直ぐに。遅れると原則として違法。
A  すみやかに  「直ちに」と「遅滞なく」の中間で、余計な条件をつけないでできるだけ早く。遅れてもそれだけで違法とまではいわない可能性もある。
B  遅滞なく  正当な理由、合理的な理由がある場合を除き、事情の許す限りできるだけ早く。 理由如何によって多少遅れるのはやむを得ないかも。
 
 中央・地方社会保険医療協議会(ちゅうおう・ちほうしゃかいほけんいりょうきょうぎかい)
1.中央社会保険医療協議会(厚生労働省に設置)  
 次に掲げる事項について、厚生労働大臣の諮問に応じて審議し、及び文書をもつて答申するほか、自ら厚生労働大臣に文書をもつて建議する。
 健康保険法における療養の給付の費用の定め、入院時食事医療費・入院時生活療養費の算定基準、保険外併用療養費に関する定め、訪問看護療養費、選定療養、保険医療機関等の担当規則、保険医等の担当規則、指定訪問看護事業者の運営基準などの事項
2.地方社会保険医療協議会(各地方厚生局(四国においては地方厚生支局に設置)
 保険医療機関・保険薬局の指定及び指定の取消し、保険医・保険薬剤師の登録の取消しについて、厚生労働大臣(省令で東海北陸厚生局長に委任)の諮問に応じて審議し、及び文書をもつて答申するほか、自ら厚生労働大臣に文書をもつて建議する。
 中小事業主(ちゅうしょうじぎょうぬし)
業種  常時使用する全労働者数
 一般  300人以下
 卸売業・サービス業  100人以下
 金融業・保険業・不動産業・小売業   50人以下
 
 通達(つうたつ)
 通達とは、上級行政機関から下級の行政機関に対して発する事務の執行、法規の適用などに関する文書である。
 たとえば、
 「発基」は、労働基準局関係の次官通達
 「基発」は、労働基準局長名で発する通達
 「基収」は、労働基準局長が疑義に答えて発する通達
 「婦発(女発)」は、婦人局(女性局) 長名(現雇用均等・児童家庭局長)で発する通達
 いずれも、一般国民の権利・義務には直接影響を及ぼす法規の性格はもっていないとされており、裁判などでは採用されないが、役所がそれに基づいて業務を行なうことから、結果的には影響を受けることになる 可能性がある。
 〜等(〜とう)
 「〜等」という言葉をよくみかけるが、法律用語の場合は、あれやこれやとわけのわからないあいまいなものも含まれるという意味では決してない。例えば「失業等給付」というときも含まれる内容は全部法律で決まっている。それらを全部言おうとする長ったらしくなるので、あえて「〜等」といっているだけである。
 よって「〜等」とあるときは、それに含まれるもの全部を思い出さないといけないのである。
 電子情報処理組織(でんしじょうほうしょりそしき)
 政府の使用に係る電子計算機(入出力装置を含む、以下同じ)と特定法人の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう。
 督促状(とくそくじょう)
 
督促状の期限の根拠は国税徴収法47条によるもので、各法律に関係なく同じなのはこのためである。
 「47条 次の各号の一に該当するときは、徴収職員は、滞納者の国税につきその財産を差し押えなければならない」 
1  滞納者が督促を受け、その督促に係る国税をその督促状を発した日から起算して十日を経過した日までに完納しないとき。
2  納税者が国税通則法37条1項各号(督促)に掲げる国税をその納期限(繰上請求がされた国税については、当該請求に係る期限)までに完納しないとき。
 特定業種退職金共済制度(とくていぎょうしゅたいしょくきんきょうさいせいど)
 特定業種(建設業、清酒製造業、林業)において、これらの業種内を期間を定めて渡り歩きながら、多数の事業主に雇用されることを常態とする者に対して、事業主の相互協力のもとに、退職金を支給する中小企業退職金共済制度である。 
 その業種の中小企業事業主が独立行政法人勤労者退職金共済機構と特定業種退職金共済契約を締結すると、その事業主に期間を定めて雇用される者が被共済者となる。
 事業主は、期間雇用者が所持する共済手帳に雇用日数に応じて共済証紙を貼付し、その期間雇用者が特定業種から引退したときに、所定の退職金が直接期間雇用者に支払われる。
 特定疾病(とくていしっぺい)
@労災保険法:  「特定業務に長時間従事することにより発生する疾病であって、厚生労働省令で定めるもの。
 事業場を転々と移動する日雇又は短期間の就労を常態とする労働者を多数使用する事業に多発する特定の疾病であって、疾病の発生の原因を最終事業場に帰属させることが困難なもの。荷役人の腰痛とか建設業の振動障害、じん灰 、騒音性難聴,などが該当 する。
A健康保険法:長期高額疾病(特定疾病) 「厚生労働大臣が定めるもの で、
 人工腎臓を実施している慢性腎不全(人工透析)、血漿分画製剤を投与している先天性血液凝固障害(血友病)、抗ウイルス剤を投与している後天性免疫不全症候群(HIV感染を含み、厚生労働大臣の定める者に係るものに限る)」
B介護保険法:「要介護状態の原因である身体上又は精神上の障害が加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病であって、政令で定めるもの」
 末期がん、関節リュウマチ、脳卒中・脳梗塞などの脳血管疾患、骨折を伴う骨粗しょう症、初老期認知症、パーキンソン病、糖尿病性神経障害など 。
 特定個人情報(とくていこじんじょうほう)
 個人番号(個人番号に対応し、当該個人番号に代わって用いられる番号、記号その他の符号であって、住民票コード以外のもの(いわゆるIDやパスワードのようなもの)をその内容に含む個人情報。
 この場合の個人情報とは、行政機関などが保有する個人情報。
 特定退職金共済制度(とくていたいしょくきんきょうさいせいど)
 個人事業主又は法人が、所得税法に定める特定退職金共済団体(商工会議所等)と退職金共済契約を締結すると、原則としてその事業主に雇用される者全員が被共済者となる。
 掛金は全額事業主負担であり、その者が退職したときに、所定の退職金がその団体から直接従業員に支払われる。
 特定法人( とくていほうじん)
 事業年度開始の時における資本金の額、出資金の額若しくは銀行等保有株式取得機構がその会員から銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律の規定により納付された当初拠出金の額及び売却時拠出金の額の合計額が1億円を超える法人、保険業法に規定する相互会社、投資信託及び投資法人に関する法律に規定する投資法人又は資産の流動化に関する法律に規定する特定目的会社をいう。
 独立行政法人(どくりつぎょうせいほうじん)
 「独立行政法人は、国民生活および社会経済の安定等の公共上の見地から確実に実施されることが必要な事務及び事業であって、国が自ら主体となって直接に実施する必要のないもののうち、民間の主体にゆだねた場合には必ずしも実施されない恐れがあるもの又は一つの主体に独占して行わせることが必要であるもの(公共上の事務・業務)を効率的かつ効果的に行わせることを目的として、独立行政法人通則法等により設立される法人であり、次の3つからなる」
@中期目標管理法人
 公共上の事務・事業を中期的(3〜5年)な目標・計画に基づき行うことにより、多様で良質なサービスの提供を通じて公共の利益を増進することを目的とする法人。
 たとえば、国民生活センター、国際協力機構、国際交流基金、大学入試センター、国立科学博物館、国立美術館、国立文化財機構、日本芸術文化振興会、日本学術振興会、日本スポーツ振興センター、国立高等専門学校機構、労働者健康安全機構(労働安全衛生総合研究所と労働者健康福祉機構のH280401統合による)、勤労者退職金共済機構、福祉医療機構、国立病院機構、年金積立金管理運用独立行政法人、水資源機構などなど
A国立研究開発法人
 研究開発に係る業務を主要な業務として、中長期的(5〜7年)な目標・計画に基づき行うことにより、我が国の科学技術の水準の向上を通じた国民経済の発展その他の公益に資するため研究開発の最大限の成果を確保することを目的とする法人
 たとえば、理化学研究所、宇宙航空研究開発機構、日本原子力研究開発機構、国立がん研究センター、産業技術総合研究所、新エネルギー・産業技術総合開発機構、土木研究所、建築研究所、国立環境研究所などなど
B行政執行法人
 
国の行政事務と密接に関連した国の相当な関与の下に確実に執行することが求められる事務・事業を、単年度ごとの目標・計画に基づき行うことにより、正確・確実に執行することを目的とする法人。
 たとえば、国立公文書館、統計センター、造幣局、国立印刷局、農林水産消費安全技術センター、製品評価技術基盤機構、駐留軍等労働者労務管理機構。
 その役職員には、国家公務員の身分が付与されている。
注1:@,Aの職員は労基法、安衛法、労災保険法などは全面適用
注2:Bの職員は国家公務員の身分が付与され、労基法、安衛法は適用されるが、労災保険法は適用除外。
 地方独立行政法人(ちほうどくりつぎょうせいほうじん)
 「地方独立行政法人とは、住民の生活、地域社会及び地域経済の安定等の公共上の見地からその地域において確実に実施されることが必要な事務及び事業であって、地方公共団体が自ら主体となって直接に実施する必要のないもののうち、民間の主体にゆだねた場合には必ずしも実施されないおそれがあるものと地方公共団体が認めるものを効率的かつ効果的に行わせることを目的として、この法律の定めるところにより地方公共団体が設立する法人をいう」
(地方独立行政法人法2条)
⇒ほとんどが、大学、医療機関、試験研究機関である。

 特定地方独立行政法人(とくていちほうどくりつぎょうせいほうじん)
 「特定地方独立行政法人とは、地方独立行政法人のうち、その業務の停滞が住民の生活、地域社会若しくは地域経済の安定に直接かつ著しい支障を及ぼすため、又はその業務運営における中立性及び公正性を特に確保する必要があるため、その役員及び職員に地方公務員の身分を与える必要があるものとして地方公共団体が当該地方独立行政法人の定款で定めるものをいう」
(地方独立行政法人法2条2項)
 一般地方独立行政法人(いっぱんちほうどくりつぎょうせいほうじん)
 
特定地方独立行政法人以外の法人で、役員及び職員は公務員ではない(いわゆる非公務員型)
  一般地方独立行政法人と当該法人の役員との間では、委任契約が結ばれ、当該職員との間では、労働契約が結ばれる。