29年度 法改正トピックス(健康保険法に関する主要改正点)
  改正後 改正ポイント
被保険者

適用除外者
 被保険者、適用除外者(3条1項)
 「この法律において「被保険者」とは、適用事業所に使用される者及び任意継続被保険者をいう。
 ただし、次の各号のいずれかに該当する者は、日雇特例被保険者となる場合を除き、被保険者となることができない」
9号:法改正(H28.10.01新規)「事業所に使用される者であつて、その1週間の所定労働時間が同一の事業所に使用される短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律2条に規定する通常の労働者の1週間の所定労働時間の4分の3未満である短時間労働者又はその1月間の所定労働日数が同一の事業所に使用される通常の労働者の1月間の所定労働日数の4分の3未満である短時間労働者に該当し、かつ、イからニまでのいずれかの要件に該当するもの
イ:1週間の所定労働時間が20時間未満であること。
ロ:当該事業所に継続して1年以上使用されることが見込まれないこと。
ハ 報酬(最低賃金法4条3項各号に掲げる賃金に相当するものとして厚生労働省令で定めるものを除く)について、厚生労働省令で定めるところにより、42条1項の規定の例により算定した額が、8万8千円未満であること。
ニ 学校教育法 50条に規定する高等学校の生徒、同法83条に規定する大学の学生その他の厚生労働省令で定める者であること。
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  特定適用事業所以外の事業所の使用される短時間労働者(H24改正法附則46条)(H28.10.01新規)
  「当分の間、特定適用事業所以外の適用事業所(健康保険法3条3項に規定する適用事業所をいい、国又は地方公共団体の当該適用事業所を除く)に使用される1号又は2号に掲げる者であって、改正後の3条1項各号のいずれにも該当しないもの(特定4分の3未満短時間労働者)については、同項の規定にかかわらず、健康保険の被保険者としない」
 @その1週間の所定労働時間が同一の事業所に使用される通常の労働者の1週間の所定労働時間の4分の3未満である短時間労働者
Aその1月間の所定労働日数が同一の事業所に使用される通常の労働者の1月間の所定労働日数の4分の3未満である短時間労働者
 同5項 (H28.10.01新規)
 「特定適用事業所以外の適用事業所の事業主は、次の各号に掲げる場合に応じ、当該各号に定める同意を得て、保険者等に当該事業主の一又は二以上の適用事業所に使用される特定四分の三未満短時間労働者について同項の規定(すなわち被保険者とはしないの規定)の適用を受けない旨(すなわち被保険者とする)申出をすることができる」
@当該事業主の一又は二以上の適用事業所に使用される2分の1以上同意対象者の過半数で組織する労働組合があるとき 当該労働組合の同意
A前号に規定する労働組合がないとき イ又はロに掲げる同意
イ当該事業主の一又は二以上の適用事業所に使用される2分の1以上同意対象者の過半数を代表する者の同意
ロ当該事業主の一又は二以上の適用事業所に使用される2分の1以上同意対象者の2分の1以上の同意
  特定適用事業所該当届(施行規則23条の2) (H28.10.01新規)
 「初めて特定適用事業所となつた適用事業所の事業主(事業主が法人であるときは、本店又は主たる事業所の事業主)は、当該事実があつた日から5日以内に、次の各号に掲げる事項(事業所の名称・所在地、特定適用事業所となつた年月日、事業主が法人であるときは、法人番号)を記載した届書を厚生労働大臣又は健康保険組合に提出しなければならない」
 H24改正法附則46条
1項:被保険者数が500人以下の事業所にあっては、4分の3ルールを満足しない短時間労働者は、当分の間は被保険者とはしない。基礎知識と過去問学習はこちらを
5項: 
⇒二分の一以上同意対象者とは、被保険者と4分の3基準に達しないが特定適用事業所要件を除く4要件を満足している者
⇒被保険者数が501人未満の適用事業所にあって、4分の3基準を満足しない短時間労働者であっても、上記の4要件を満足している場合は、労使の合意により、被保険者とすることができる。
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 特定適用事業所該当届
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 厚生労働省令で定める賃金に相当するもの(施行規則23条の4)(H28.10.01新規)
 「法3条1項9号ハの最低賃金法4条3項各号に掲げる賃金に相当するものとして厚生労働省令で定めるものは、次に掲げるものとする」
@臨時に支払われる賃金
A一月を超える期間ごとに支払われる賃金
B所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金
C所定労働日以外の日の労働に対して支払われる賃金
D午後10時から午前5時まで(厚生労働大臣が定める地域又は期間については、午後11時から午前6時まで)の間の労働に対して支払われる賃金のうち通常の労働時間の賃金の計算額を超える部分
E最低賃金において算入しないことを定める賃金(最低賃金法4条3項3号に掲げる賃金をいう)
⇒精皆勤手当、通勤手当及び家族手当が該当する。
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被扶養者
 被扶養者(3条7項) 
 「この法律において「被扶養者」とは、次に掲げる者をいう。ただし、後期高齢者医療の被保険者等である者は、この限りでない」
 1号:(H28.10.01) 被保険者(日雇特例被保険者であった者を含む)の直系尊属配偶者(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む)、及び兄弟姉妹であって、主としてその被保険者により生計を維持するもの
 被扶養者のうち、改正前までは弟妹は主として生計維持、兄姉は主として生計維持+同一世帯であった。
 改正後は、兄姉も弟妹と同じく、主として生計維持のみでよいことに。
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定時決定  定時決定(41条)(H28.10.01)
  「保険者等は、被保険者が毎年7月1日現に使用される事業所において同日前3月間(その事業所で継続して使用された期間に限るものとし、かつ、報酬支払の基礎となった日数が17日(厚生労働省令で定める者にあっては、11日)未満である月があるときは、その月を除く)に受けた報酬の総額をその期間の月数で除して得た額を報酬月額として、標準報酬月額を決定する」
 厚生労働省令で定める者(施行規則24条の2)(H28.10.01新規)
 「被保険者であって、その1週間の所定労働時間が同一の事業所に使用される短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律に規定する通常の労働者の1週間の所定労働時間の4分の3未満である同条に規定する短時間労働者又はその1月間の所定労働日数が同一の事業所に使用される通常の労働者の1月間の所定労働日数の4分の3未満である短時間労働者とする」
 41条:「厚生労働省令で定める者にあっては、11日」を追加。
⇒特定適用事業所(被保険者数が500人超)に勤務する短時間労働者であって、4分の3条件を満たさない者であっても、一定の要件に該当する者は被保険者になる。
 このような短時間労働者である被保険者の標準報酬月額に係る支払基礎日数の基準は11日と規定された。
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 随時改定(43条)  「厚生労働省令で定める者、すなわち4分の3条件を満足しない短時間労働者である被保険者にあっては11日」を追加。
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 育児休業等を終了した際の改定(43条の2)    同上 基礎知識と過去問学習はこちらを  
 産前産後休業を終了した際の改定(43条の3)  同上 基礎知識と過去問学習はこちらを  
国庫補助  国庫補助(153条)(H29.04.01)
 「2項 国庫は、国庫負担及び前項に規定する費用のほか、協会が拠出すべき介護納付金(日雇特例被保険者に係るものを除く)の納付に要する費用の額に同項の政令で定める割合を乗じて得た額を補助する」
 
 153条2項
 国庫補助から、「前期高齢者納付金(前期高齢者納付金の額に給付費割合を乗じて得た額を除く)及び後期高齢者支援金」を削除。
 つまり、前期高齢者納付金に対する残りの部分(前期高齢者納付金×(1-給付費割合)と後期高齢者支援金については、各保険者の負担能力に応じて負担するという総報酬割となったので、国庫補助の対象ではなくなった。 基礎知識と過去問学習はこちら