改正 育児・介護休業法
23年度 法改正トピックス( 育児・介護休業法に関する主要改正点)
  改正後 改正ポイント
看護休暇

介護休暇

 

 目的(1条)(H22.06.30)
 「この法律は、育児休業及び介護休業に関する制度並びに子の看護休暇及び介護休暇に関する制度を設けるとともに、
 子の養育及び家族の介護を容易にするため所定労働時間等に関し事業主が講ずべき措置を定めるほか、
 子の養育又は家族の介護を行う労働者等に対する支援措置を講ずること等により、
 子の養育又は家族の介護を行う労働者等の雇用の継続及び再就職の促進を図り、もってこれらの者の職業生活と家庭生活との両立に寄与することを通じて、
 これらの者の福祉の増進を図り、あわせて経済及び社会の発展に資することを目的とする」
 「子の看護休暇」から「子の看護休暇及び介護休暇」へ
 ⇒介護休暇の追加

 「勤務時間等」から「所定労働時間等」へ

 基礎知識と過去問学習はこちら
 子の看護休暇の申出(16条の2) (H22.06.30、ただし100人以下の企業にあってはH24.07.01から)
 「小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者は、その事業主に申し出ることにより、一の年度において5労働日(その養育する小学校就学の始期に達するまでの子が2人以上の場合にあっては10労働日)を限度として、負傷し、又は疾病にかかった当該子の世話又は疾病の予防を図るために必要なものとして厚生労働省令で定める当該子の世話を行うための休暇(子の看護休暇)を取得することができる」
 厚生労働省令で定める当該子の世話(旧施行規則29条の3、現32条)(H22.06.30新設)
 
「法16条の2の1項の厚生労働省令で定める当該子の世話は、当該子に予防接種又は健康診断を受けさせることとする」
@「子が2人以上の場合は、10労働日にあっては、10労働日」を追加
A「その子の世話」として、「疾病の予防を図るために必要なものとして厚生労働省令で定める当該子の世話(予防接種や健康診断)」を追加
 基礎知識と過去問学習はこちら
 介護休暇の申出(16条の5)(H22.06.30新設)
 「要介護状態にある対象家族の介護その他の厚生労働省令で定める世話を行う労働者は、その事業主に申し出ることにより、一の年度において5労働日(要介護状態にある対象家族が2人以上の場合にあっては、10労働日)を限度として、当該世話を行うための休暇(介護休暇)を取得することができる」
 介護休暇の申出があった場合における事業主の義務等(16条の6)(H22.06.30新設)
 「事業主は、労働者からの前条第1項の規定による申出があったときは、当該申出を拒むことができない」
 介護休暇を新設
 基礎知識と過去問学習はこちら
   育児休業の申出(5条)(H22.06.30)
 「2項 前項の規定にかかわらず、育児休業(当該育児休業に係る子の出生の日から起算して8週間を経過する日の翌日まで(出産予定日前に当該子が出生した場合にあっては当該出生の日から当該出産予定日から起算して8週間を経過する日の翌日までとし、出産予定日後に当該子が出生した場合にあっては当該出産予定日から当該出生の日から起算して8週間を経過する日の翌日までとする)の期間内に、労働者(当該期間内に労働基準法65条2項の規定により休業した者を除く)が当該子を養育するためにした前項の規定による最初の申出によりする育児休業を除く)をしたことがある労働者は、 当該育児休業を開始した日に養育していた子については、厚生労働省令で定める特別の事情がある場合を除き、同項の申出をすることができない」
 育児休業の次に(  )書きの例外を設けた。
⇒育児休業の取得は、原則として、同一の子については1回のみである。
 ただし、例外として、「妻の出産後8週間以内に父親が育児休業を取得した場合は再度の取得が可能」になるようにした。

  基礎知識と過去問学習はこちらを
   事業主の義務(6条)
 旧2号「労働者の配偶者で、育児休業申出に係る子の親であるものが、常態として子を養育することができるものとして厚生労働省令で定める者に該当する場合における当該労働者」を削除  
 旧3号を新号へ 
 同じく施行規則7条の
 「職業に就いていないなど子の養育が可能な配偶者以外の親がいる者」も削除
 「専業主婦(専業主夫)などがいる場合は、その夫(妻)は育児休業を認めない」と労使協定 の定めで排除することができなくなった。
 基礎知識と過去問学習はこちらを
 
   同一の子について配偶者が育児休業をする場合の特例(パパ・ママ育休プラス)(9条の2概要のみ、現9条の6)(H22.06.30新設)
 「労働者の養育する子について、当該労働者の配偶者が当該子の1歳到達日以前のいずれかの日において当該子を養育するために育児休業をしている場合、1歳2か月まで育児休業を事業主に申し出ることができる」
 「2項 前項の規定は、育児休業開始予定日とされた日が、当該育児休業に係る子の1歳到達日の翌日後である場合又は当該労働者の配偶者がしている育児休業に係る育児休業期間の初日前である場合には、これを適用しない」  
 母親(父親)が育児休業中であって、子が1歳になる前までに、父親(母親)が休業を申し出れば、交替して、1歳2か月まで休業することができるようになった。
 父親と母親の休業期間が一部重複してもかまわない。
 ただし、父親、母親(母親の場合は産後の8週間を含めて)ともそれぞれの休業期間は1年を超えてはいけない。 基礎知識と過去問学習はこちらを
   育児休業申出の方法(施行規則5条)(H22.06.30)
 「育児休業申出は、次に掲げる事項(申出の年月日、氏名、子の氏名・生年月日及び労働者との続柄、開始予定日、終了予定日、1歳6か月までの延長の申出にあってはそれに該当する事実、パパ・ママ育休プラスの申出にあっては、当該申出に係る育児休業開始予定日とされた日が当該労働者の配偶者がしている育児休業に係る育児休業期間の初日以後である事実など)を
 事業主に申し出ることによって行わなければならない」
 「2項 前項の申出は、次のいずれかの方法(2号及び3号に掲げる場合にあっては、事業主が適当と認める場合に限る)によって行わなければならない」
 @書面を提出する方法
 Aファクシミリを利用して送信する方法
 B電気通信回線を通じて事業主の使用に係る通信端末機器に送信する方法(電子メール)
 「4項 事業主は、育児休業申出がされたときは、次に掲げる事項を労働者に速やかに通知しなければならない」
 @育児休業申出を受けた旨
 A育児休業開始予定日(法6条3項により指定をする場合にあっては、当該事業主の指定する日)及び育児休業終了予定日 
 B育児休業申出を拒む場合には、その旨及びその理由
⇒これらも、書面のほか、労働者が希望すれば、ファックス、電子メールでもよい。
 1項:
 パパ・ママ育休プラスの申出にあっては、当該申出に係る育児休業開始予定日とされた日が当該労働者の配偶者がしている育児休業に係る育児休業期間の初日以後である事実を、事業主に通知する。

2項:育児休業の申出には、
 書類の提出のほか、事業主が適当と認める場合は、ファックス、電子メールでもよいことに。

4項:新設
 申出を受けた事業主は、その結果を速やかに、労働者に通知しなければならない。
 基礎知識と過去問学習はこちらを

 2項、4項については、介護休業の申出もこれに準ずる。
所定外労働の制限  所定外労働の制限(16条の8)(22.6.30新設)
 「事業主は、3歳に満たない子を養育する労働者であって、当該事業主と当該労働者が雇用される事業所の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、その事業所の労働者の過半数で組織する労働組合がないときはその労働者の過半数を代表する者との書面による協定で、
 次に掲げる労働者のうちこの項本文の規定による請求をできないものとして定められた労働者に該当しない労働者が
 当該子を養育するために請求した場合においては、所定労働時間を超えて労働させてはならない
 ただし、事業の正常な運営を妨げる場合は、この限りでない」
 @当該事業主に引き続き雇用された期間が1年に満たない労働者
 A前号に掲げるもののほか、当該請求をできないこととすることについて合理的な理由があると認められる労働者として厚生労働省令で定めるもの。 
 「2項 前項の規定による請求は、厚生労働省令で定めるところにより、その期間中は所定労働時間を超えて労働させてはならないこととなる一の期間(制限期間:1月以上1年以内の期間に限る)について、その初日(制限開始予定日)及び末日(制限時間終了予定日)とする日を明らかにして、制限開始予定日の1月前までにしなければならない。
 この場合において、この項前段に規定する制限期間については、17条2項前段に規定する制限期間と重複しないようにしなければならない」
 労使協定を結んだ事業所にあっては、3歳未満の子を養育する労働者が請求すれば、請求した一定期間は時間外労働を拒否できる。
 基礎知識と過去問学習はこちらを
 
時間外労働の制限

 時間外労働の制限(17条)(22.6.30)
 「事業主は、労働基準法に規定する労働時間を延長することができる場合において、小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者であって、次の各号のいずれにも該当しないものが当該子を養育するために請求したときは、制限時間(1月について24時間1年について150時間)を超えて労働時間を延長してはならない。
 ただし、事業の正常な運営を妨げる場合は、この限りでない」

 「労働者の配偶者で当該子の親であるものが、常態として子を養育することができるものとして厚生労働省令で定める者 に該当する場合における当該労働者」は該当しないとあったのを削除
 ⇒このような者も時間外労働の拒否を請求できるようになった。
 基礎知識と過去問学習はこちらを
所定労働時間の短縮措置等  所定労働時間の短縮措置等(23条)(H22.6.30、ただし100人以下の企業にあってはH24.07.01から)
 「1項(H22.6.30全面改訂) 事業主は、その雇用する労働者のうち、その3歳に満たない子を養育する労働者であって育児休業をしていないもの(1日の所定労働時間が短い労働者として厚生労働省令で定めるものを除く)に関して、厚生労働省令で定めるところにより、労働者の申出に基づき所定労働時間を短縮することにより当該労働者が就業しつつ当該子を養育することを容易にするための措置(所定労働時間の短縮措置)を講じなければならない。
 ただし、当該事業主と当該労働者が雇用される事業所の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、その事業所の労働者の過半数で組織する労働組合がないときはその労働者の過半数を代表する者との書面による協定で、次に掲げる労働者のうち所定労働時間の短縮措置を講じないものとして定められた労働者に該当する労働者については、この限りでない」
@当該事業主に引き続き雇用された期間が1年に満たない労働者
A前号に掲げるもののほか、所定労働時間の短縮措置を講じないこととすることについて合理的な理由があると認められる労働者として厚生労働省令で定めるもの
B前2号に掲げるもののほか、業務の性質又は業務の実施体制に照らして、所定労働時間の短縮措置を講ずることが困難と認められる業務に従事する労働者」           
 「2項(H22.6.30新規) 事業主は、その雇用する労働者のうち、前項ただし書の規定により同項3号に掲げる労働者であってその3歳に満たない子を養育するものについて所定労働時間の短縮措置を講じないこととするときは、当該労働者に関して、厚生労働省令で定めるところにより、
 労働者の申出に基づく育児休業に関する制度に準ずる措置又は労働基準法32条の3(フレックスタイム制)の規定により労働させること、その他の当該労働者が就業しつつ当該子を養育することを容易にするための措置(始業時刻変更等の措置)を講じなければならない」
見出しを「勤務時間の短縮等の措置等」から「所定労働時間の短縮措置等」へ、

 旧23条1項は以下のようであった。
 「事業主は、その雇用する労働者のうち、
 1歳(又は1歳6か月)に満たない子を養育する労働者で、育児休業をしないものにあっては、申出に基づく勤務時間の短縮その他の、就業しつつ子を養育することを容易にするための措置(勤務時間の短縮等の措置)を、
 1歳から3歳に達するまでの子を養育する労働者にあっては、育児休業の制度に準ずる措置又は勤務時間の短縮等の措置を講じなければならない」

 基礎知識と過去問学習はこちらを
 所定労働時間の短縮等の具体的措置(施行規則34条) (H22.6.30、ただし100人以下の企業にあってはH24.07.01から)
 「法23条1項に規定する所定労働時間の短縮措置は、1日の所定労働時間を原則として6時間とする措置を含むものとしなければならない」
 「2項 法23条2項に規定する始業時刻変更等の措置は、当該制度の適用を受けることを希望する労働者に適用される次の各号に掲げるいずれかの方法により講じなければならない。
@労働基準法32条の3の規定による労働時間の制度(フレックスタイム制度)を設けること。
A1日の所定労働時間を変更することなく始業又は終業の時刻を繰り上げ又は繰り下げる制度を設けること
B労働者の3歳に満たない子に係る保育施設の設置運営その他これに準ずる便宜の供与を行うこと。
 1項
・所定労働時間の短縮措置は、1日当たりの労働時間6時間と明確化

 2項
・旧1項のその他の措置を2項に}
 3項
・旧2項を3項に
 基礎知識と過去問学習はこちらを
   小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者等に関する措置(24条)
 「事業主は、その雇用する労働者のうち、その小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者に関して、次の各号に掲げる当該労働者の区分に応じ当該各号に定める制度又は措置に準じて、それぞれ必要な措置を講ずるよう努めなければならない」
@1歳(当該労働者が5条3項の規定による申出をすることができる場合にあっては、1歳6か月)満たない子を養育する労働者で育児休業をしていないもの :始業時刻変更等の措置
A1歳(1歳6か月)から3歳に達するまでの子を養育する労働者:育児休業に関する制度又は始業時刻変更等の措置 B3歳から小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者:育児休業に関する制度、所定外労働の制限に関する制度、所定労働時間の短縮措置又は始業時刻変更等の措置
@見出しから「3歳から」を削除
A3歳から小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者等に関する措置(旧24条1項)
 「事業主は、その雇用する労働者のうち、3歳から小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者に関して、育児休業の制度又は勤務時間短縮等の措置に準じて、必要な措置を講ずるよう努めなければならない」は、全面改訂
 基礎知識と過去問学習はこちらを