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 ま行の巻
KeyWords  又は・若しくは満了者・未満了者未支給の保険給付みなす命令
又は・若しくは(または・もしくは)
 意味は同じ。
1.同じレベルの並列のとき:「又は」
 ・A OR B ⇒ A又はB
 ・A OR B OR C ⇒ A、B又はC
2.違うレベルの並列のとき: 大きいレベルには「又は」、小さいレベルには「若しくは」
 要するに「大又(小若しくは)」と覚える。
 ・(A OR B) OR C ⇒ A若しくはB又はC
例 (徴収法施行規則70条)
 「事業主若しくは事業主であった者は労働保険事務組合若しくは労働保険事務組合であった団体は、法又はこの省令による書類を、その完結の日から3年間、雇用保険被保険者関係届出事務等処理簿にあっては4年間保存しなければならない」
⇒ (事業主 OR 事業主であった者) OR (労働保険事務組合 OR 労働保険事務組合であった団体)
 満了者・未満了者
・年金額の計算の基礎となる被保険者期間が「240月以上」の者を満了者、「240月未満」の者を未満了者という。
 この場合、「年金額の計算の基礎となる被保険者期間」は実際の被保険者期間とは異なる場合、すわち各種の短縮特例により「240月」とみなされる場合もある。
未支給の保険給付(みしきゅうのほけんきゅうふ)
 未支給の保険給付とは、
 @受給する権利があったが裁定請求する前に死亡、
 A裁定請求したが決定が下される前に死亡、あるいは決定が下されて受給権を取得したが受給する前に死亡、
 B年金を受給中に死亡
 したとき、まだ、死亡した人に支給すべき保険給付(年金、一時金)が残っている場合がある。その残された保険給付のことを「未支給の保険給付」という。  死亡した人が受給すべきであるのに、まだ支給されずに残っているのだから、本来ならば、民法の遺産相続の規定によって受給する人、すなわち遺産相続人を決定すべきであろう。
 しかし、労働保険・社会保険においては、残された遺族の生活補償をより重視したいとして、民法の規定に優先させるために、未支給の保険給付の規定を設けたのである。  労災保険法、雇用保険法、厚生年金保険法、国民年金保険法にほぼ共通する規定である。
1.請求できる人
 配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹で、死亡の当時その者と生計を同じくしていた人。
2.請求者の名前
 請求者は死亡した人ではなく、請求する人の名前で。
3.生計を同じくしていた人
 家計(消費生活)が一緒であったということで、生計維持されていないつまり経済的に自立している人も含む。
 規定は各法ともほぼ同様であるが、注意すべき主な点は、
1:労災保険における遺族(補償)年金に限って転給制度があるので、若干、取り扱いが異なる。
2:国民年金では、年金給付のみで一時金(死亡一時金)は対象外。ただし、脱退一時金は保険給付とはいえないが、請求できる。
3:健康保険法には規定がないが、通達により、療養費、傷病手当金などの現金給付については請求できる。
 未支給の保険給付の中でも年金については、請求を行って順調に受給中であっても必ず生じるといわれている。
 これは、「年金は支給事由が生じた月の翌月から、支給を受ける権利が消滅した月 まで支給される」となっているが、実際の支払い月は、「原則として、2月、4月、6月、8月、10月及び12月にそれぞれその前月分までを支払う」とあ り、死亡した月分も年金は支払われるべきであるが、実際の支払はその翌月あるいは翌々月になるからである。
 みなす
 法律で「みなす」とあれば、そうする・そう取扱うということである。当事者がそうではないといくら事実を示していっても、くつがえることはない。
 一方、「推定する」も同様に、そうする・そう取扱うということであるが、こちらの方は事実ではないと反対証拠を示せば、くつがえることもある。
命令(めいれい)
 命令
とは行政機関が制定する法規のことで、政令、省令、規則などからなる。
 本来、立法権は国会のみが有するのであるが、法の実施に伴う技術的なこと、手続き的なことについては、法律による委任があれば、行政府が定めてもよいことになっている。
 さらにその委任が個別具体的な委任があり、その範囲内であれば、国民の権利・義務に関わる事項についても、行政府が規定しても違法ではないとされている。
(1)政令
 法の施行に必要となる技術的、手続き的事項について、関係する省庁が複数あるなどの場合に、総理大臣以下国務大臣によって構成される閣議によって定められたもの。
「施行令」とも呼ばれる。
(2)省令
 法の施行に必要となる技術的、手続き的事項について、主務大臣が定めたもの。
 「施行規則」とも呼ばれる。
(3)規則
 行政委員会(国家公安員会など)や独立行政機関(人事院のなど)が定めたもの。