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 1箇月単位の変形労働時間制、1年単位の変形労働時間制、1週間単位の非定型的変形労働時間制
  関連過去問 11-3B11-3D11-4B13-6A17-2D17-3D18-4A18-4B18-4C18-4D19-5D22-5A22-5B22-5C26-5C27-6イ28-4C28-4D 29-1A29-1B30-2イ30-2ウ令元-2A令元-2C令元ー2D令元ー2E令3-5B令4-7B
 関連条文 1箇月単位の変形労働時間制(32条の2)、1年単位の変形労働時間制(32条の4)、1年単位の変形労働時間制における労働時間の限度等(施行規則12条の4)、途中入退社の者に対する賃金の清算(32条の4の2)、
1週間単位の非定型的変形労働時間制(32条の5) 
 

1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1.1箇月単位の変形労働時間制(32条の2) 基礎講座
 「使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、ない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、又は、就業規則その他これに準ずるものにより、
 1箇月以内の一定の期間を平均し1週間当たりの労働時間が32条1項の労働時間(40時間、特例事業の場合は44時間)を超えない定めをしたときは、
 特定された週において同項の労働時間又は特定された日において同条2項の労働時間(8時間)を超えて、労働させることができる」
 「2項 使用者は、厚生労働省令で定めるところにより、前項の協定を行政官庁に届け出なければならない」
⇒「労使協定」による場合は、その協定を所轄の労働基準監督署長に届け出なければならない。
 「1箇月単位の変形労働時間制」は、
 @労使協定の届出、@'労使委員会の決議、A就業規則の届出又は就業規則に準ずるもの(常時10人未満の労働者を使用する事業場の場合)、いずれでも実施することができる。
 ただし、労使協定で実施する場合であっても、就業規則等(準ずるものを含む)による定めが必要である。
 これは、通達(S63.1.1基発1号)において、
 「労使協定の効力は、その協定の定めによって労働者を労働させても労基法に違反しないという免罰効果であり、労働者の民事上の義務は、当該協定から直接生じるものではなく、労働協約、就業規則等の根拠(労使協定に従う旨の定め又は同様の定め)が必要である」とあることによる。
1.1 労使協定で実施する場合の定めをすべき事項( 様式3号の2)
 @変形期間の長さと変形期間の起算日
 A対象労働者の範囲(具体的には労働者数)
 B変形労働期間の各日、各週の労働時間並びに所定休日
  (就業規則には、各日の労働時間だけでなく、始業及び終業の時刻も定める必要がある)
 C労働時間が最も長い日の労働時間数、労働時間が最も長い週の労働時間数
 D協定の有効期間 
 注:満18歳未満の者にも適用する場合は、A、Cは( )で併記 
 1か月単位の変形労働時間制における変形期間中の法定労働時間の総枠
 40時間(特例事業の場合は44時間)×変形期間暦日数/7
1.2 割増賃金対象となる時間外労働(1か月単位)(H6.3.31基発181他)
@  8時間を超える定めを行った日  定めた時間を超過した時間数
A  上記@以外の日  8時間を超過した時間数
B  週40時間(44時間)を超える定めを行った週  定めた時間を超過した時間数
C  上記B以外の週   40時間(44時間)を超過した時間数
D  変形期間中トータル  法定労働時間の総枠を超過した時間数(ただし、@、A、B、Cで計上した時間は除く
⇒変形労働時間制の協定を超えて労働させるためには、36条協定が別途に必要。
1.3 就業規則に準ずるものの周知
 「施行規則12条 常時10人に満たない労働者を使用する使用者は、1か月単位の変形労働時間制、4週間に4日の休日に関する定めをした場合(労使協定による定め(労使委員会の決議、労働時間等設定改善委員会の決議を含む)をした場合を除く)には、これを労働者に周知させるものとする」
 就業規則の作成義務のない「常時10人未満の労働者を使用する事業場」において、1か月単位の変形労働時間制を実施する場合は、就業規則に準ずるもので一定の定めを行い、これを周知させる必要がある。
 この準ずる文書の性格については、こちらを参照のこと

使








11
3B
 労使協定を締結し、労働基準法第32条の2に規定するいわゆる1か月単位の変形労働時間制を採用する場合、使用者は、当該協定を行政官庁に届け出なければならず、就業規則その他これに準ずるものにより同制度を採用する場合も、事業場の規模を問わず当該就業規則その他これに準ずるものを行政官庁に届け出る必要がある。(応用)
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正しい 誤り
26
5C
 労働基準法第32条の2に定めるいわゆる1か月単位の変形労働時間制については、いわゆる労使協定又は就業規則その他これに準ずるものにより同条記載の一定事項について定めをすることが要件とされており、同法第38条の4に定めるいわゆる労使委員会の委員の5分の4以上の多数による議決による決議によってこれを行うことは認められていない。
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正しい 誤り


2D
 1か月単位の変形労働時間制は、就業規則その他これに準ずるものによる定めだけでは足りず、例えば当該事業場に労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合と書面により協定し、かつ、当該協定を所轄労働基準監督署長に届け出ることによって、採用することができる。(11-3Bの類型)
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正しい 誤り

3
5B
 使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、1か月以内の一定の期間を平均し1週間当たりの労働時間が労働基準法第32条第1項の労働時間を超えない定めをしたときは、同条の規定にかかわらず、その定めにより、特定された週において同項の労働時間又は特定された日において同条第2項の労働時間を超えて、労働させることができるが、この協定の効力は、所轄労働基準監督署長に届け出ることにより認められる。
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正しい 誤り

4
7B
 労働基準法第32条の2に定めるいわゆる1か月単位の変形労働時間制を労使協定を締結することにより採用する場合、当該労使協定を所轄労働基準監督署長に届け出ないときは 1か月単位の変形労働時間制の効力が発生しない。(令3-5Bの類型)
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正しい 誤り
















22
5A
 労働基準法第32条の2に定めるいわゆる1か月単位の変形労働時間制を採用する場合には、労使協定による定め又は就業規則その他これに準ずるものにより、変形期間における各日、各週の労働時間を具体的に定めることを要し、変形期間を平均して週40時間の範囲内であっても、使用者が業務の都合によって任意に労働時間を変更するような制度はこれに該当しない。(基礎)
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18
4A
 労働基準法第32条の2に規定するいわゆる1か月単位の変形労働時間制については、当該変形期間を平均し1週間当たりの労働時間が40時間の範囲内である限り、使用者は、当該変形期間の途中において、業務の都合によって任意に労働時間を変更することができる。(22-5Aの類型)
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27
6イ
 労働基準法第32条の2に定めるいわゆる1か月単位の変形労働時間制が適用されるためには、単位期間内の各週、各日の所定労働時間を就業規則等において特定する必要があり、労働協約又は就業規則において、業務の都合により4週間ないし1か月を通じ、1週平均38時間以内の範囲内で就業させることがある旨が定められていることをもって、直ちに1か月単位の変形労働時間制を適用する要件が具備されているものと解することは相当ではないとするのが、最高裁判所の判例である。(22-5Aの類型)
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2E
 1か月単位の変形労働時間制においては、1日の労働時間の限度は16時間、1週間の労働時間の限度は60時間の範囲内で各労働日の労働時間を定めなければならない。
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所定労働時間の総枠 13
6A
 1か月単位の変形労働時間制を採用した場合、変形期間を平均し1週間当たりの労働時間が週法定労働時間以内となるようにするために行う、変形期間における所定労働時間の総枠の計算は次の式によって行う。
 (その事業場の週法定労働時間×変形期間の労働日数)/7(応用)
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19
5D
 1か月単位の変形労働時間制を採用した場合、変形期間を平均し1週間当たりの労働時間が週法定労働時間以内となるようにするために行う、変形期間における所定労働時間の総枠の計算は、次の式によって行う。
 その事業場の週法定労働時間×変形期間の歴日数÷7(13-6Aの類型)
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起算日

2A
 1か月単位の変形労働時間制により労働者に労働させる場合には、その期間の起算日を定める必要があるが、その期間を1か月とする場合は、毎月1日から月末までの歴月による。
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29
1A
 1か月単位の変形労働時間制により、毎週日曜日を起算日とする1週間について、各週の月曜、火曜、木曜、金曜を所定労働日とし、その所定労働時間をそれぞれ9時間、計36時間としている事業場において、その所定労働日に9時間を超えて労働時間を延長すれば、その延長した時間は法定労働時間を超えた労働となるが、日曜から金曜までの間において所定どおり労働した後の土曜に6時間の労働をさせた場合は、そのうちの2時間が法定労働時間を超えた労働になる。
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2C
 1か月単位の変形労働時間制により所定労働時間が、1日6時間とされていた日の労働時間を当日の業務の都合により8時間まで延長したが、その同一週内の1日10時間とされていた日の労働を8時間に短縮した、この場合、1日6時間とされていた日に延長した2時間の労働は時間外労働にはならない。
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17
3D
 労働基準法第32条の2第1項の規定に基づき、1か月単位の変形労働時間制を採用している事業場において、就業規則で休日振替を規定している場合、ある週における1日の休日を同じ変形期間中の他の週に振り替えたとき、振替えによって労働日が増えた週は週の労働時間が40時間を超えることとなったとしても、当該事業場は1か月単位の変形労働時間制を採用しているところから1か月以内の合計の労働時間数に変りはないので、時間外労働の問題は生じない。(応用)
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29
1B
 1か月単位の変形労働時間制により、毎週日曜日を起算日とする1週間について、各週の月曜、火曜、木曜、金曜を所定労働日とし、その所定労働時間をそれぞれ9時間、計36時間としている事業場において、あらかじめ水曜の休日を前日の火曜に、火曜の労働時間をその水曜に振り替えて9時間の労働をさせたときは、水曜の労働はすべて法定労働時間内の労働になる。(17-3Dの応用)
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その他の
問題
18
4B
 勤務ダイヤによるいわゆる1か月単位の変形労働時間制を就業規則によって採用する場合に、業務の実態から月ごとに勤務割を作成する必要があるときには、就業規則において各直勤務の始業就業時刻、各直勤務の組合わせの考え方、勤務割表の作成手続及びその周知方法等を定めておき、それにしたがって各日ごとの勤務割は、変形期間の開始前までに具体的に特定すればよいこととされている。(発展)
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18
4C
 使用者は、労働基準法別表第1第4号に掲げる事業において列車、気動車、電車又は航空機に乗務する労働者で予備の勤務に就くものについては、1か月以内の一定の期間を平均し1週間当たりの労働時間が40時間を超えない限りにおいて、同条第32条の2第1項の規定にかかわらず、1週間について40時間、1日について8時間を超えて労働させることができる。(難問)
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1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2.1年単位の変形労働時間制(32条の4) 基礎講座
 「使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、ない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、次に掲げる事項を定めたときは、
 その協定で第2号の対象期間として定められた期間を平均し、1週間当たりの労働時間が40時間を超えない範囲内において、特定された週において1週40時間、又は特定された日において1日8時間を超えて、労働させることができる」
1  適用する労働者の範囲
2  対象期間(1か箇月を超え1年以内の期間に限るものとする)
3  特定期間(対象期間中の特に業務が繁忙な期間)
4  対象期間における労働日及び当該労働日ごとの労働時間
 (対象期間を1か月以上の期間ごとに区分する場合は、最初の期間における労働日及び労働日ごとの労働時間、並びに以降の各期間における労働日数及び総労働時間)
⇒たとえば、対象期間を1年とした場合、1年にわたり、労働日およびその労働日毎の労働時間を予め定めなければならないが、その対象期間を例えば1か月毎に区分するとした場合は、まずは、最初の1か月における労働日およびその労働日毎の労働時間と、それ以降の各月の労働日数と総労働時間を定めればよい。(注:それ以降は次の2項による)
 
 対象期間が3箇月を超える場合」の時間外労働労働時間の上限(原則)は、36条4項により、)
 「1箇月について42時間及び1年について320時間」

 「2項 使用者は、1項4号の区分(対象期間の区分)をし、最初の期間を除く各期間における労働日数及び総労働時間を定めたときは、各期間の初日の少なくとも30日前に、過半数で組織する労働組合(ない場合は労働者の過半数代表者の)同意を得て、書面により、当該労働日数を超えない範囲内において各期間における労働日、及び総労働時間を超えない範囲内において該各期間における労働日ごとの労働時間を定めなければならない」
 「3項 厚生労働大臣は、労働政策審議会の意見を聴いて、対象期間における労働日数の限度、1日及び1週間の労働時間の限度、対象期間(特定期間を除く)及び特定期間における連続して労働させる日数の限度を定めることができる」
 「4項 使用者は、厚生労働省令で定めるところにより、1項の協定を行政官庁に届け出なければならない」
2-1 割増賃金対象となる時間外労働(1年単位)
@  8時間を超える定めを行った日  定めた時間を超過した時間数
A  上記@以外の日  8時間を超過した時間数
B  週40時間を超える定めを行った週  定めた時間を超過した時間数
C  上記B以外の週   40時間を超過した時間数
D  変形期間中トータル  法定労働時間の総枠を超過した時間数(ただし、@、A、B、Cで計上した時間は除く)
注 1ヵ月単位の変形労働時間制とほぼ同じ(ただし、B、Cにおいて、特例事業における週44時間は認められていない)
協定を超えて労働させるためには、36条協定が別途に必要。
2-2 途中入退社の者に対する賃金の清算(32条の4の2)
 「使用者が、対象期間中に労働させた期間が当該対象期間より短い労働者について、当該労働させた期間を平均し1週間当たり40時間を超えて労働させた場合においては、その超えた時間(非常時災害時等、又は36条により延長し、又は休日に労働させた時間を除く)の労働については、37条の規定の例により割増賃金を支払わなければならない」
 休職者の賃金の清算(H11.3.31 基発169)
 「本条は、途中退職者等雇用契約期間が32条の4の1項2号に規定する対象期間よりも短い者についての規定であり、休暇中の者などには適用されない」
⇒よって、育児休業や産前産後休暇の取得などにより、労働期間が対象期間よりも短くなったとしても適用されない。
18
4D
 労働基準法第32条の4第1項に規定するいわゆる1年単位の変形労働時間制を採用する場合において、労使協定により、対象期間を1か月以上の区間ごとに区分することとしたときは、使用者は、当該区分による各区間のうち最初の期間における労働日と当該労働日ごとの労働時間を特定し、当該最初の期間以外の期間における労働日数と総労働時間を定め、当該最初の期間以外の各期間の初日の少なくとも30日前までに、個々の対象労働者の同意を得て、当該労働日数を超えないは範囲内において当該各期間内における労働日及び当該総労働時間を超えない範囲内において当該各期間における労働日ごとの労働時間を定めなければならない。(基礎)
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正しい 誤り
30
2ウ
 いわゆる一年単位の変形労働時間制においては、その労働日について、例えば7月から9月を対象期間の最初の期間とした場合において、この間の総休日数を40日と定めた上で、30日の休日はあらかじめ特定するが、残る10日については、「7月から9月までの間に労働者の指定する10日間について休日を与える」として特定しないことは認められていない。(発展)
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正しい 誤り
28
4C
 労働基準法第32条の4に定めるいわゆる一年単位の変形労働時間制の対象期間は、1か月を超え1年以内であれば、3か月や6か月でもよい。
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正しい 誤り

22
5B

 労働基準法第32条の4に定めるいわゆる1年単位の変形労働時間制においては、1日10時間、1週52時間という労働時間の上限が定められているため、この範囲において労働する限り、どのような場合においても対象期間における各労働日ごとの労働時間をあらかじめ特定しておく必要はない。(基礎)
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正しい 誤り
30
2イ
 いわゆる一年単位の変形労働時間制においては、隔日勤務のタクシー運転者等暫定措置の対象とされているものを除き、1日の労働時間の限度は10時間、1週間の労働時間の限度は54時間とされている。
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正しい 誤り
11
3D
 労働基準法第32条の4に規定するいわゆる1年単位の変形労働時間制を採用する場合、当該制度を採用するための労使協定により、その制度により労働させることができる労働者の範囲、その対象期間、対象期間中の特に業務が繁忙な期間等を定める必要があるが、対象期間における労働日数には限度が設けられている。(基礎)
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正しい 誤り
11
4B
 労働基準法第32条の4に規定するいわゆる1年単位の変形労働時間制を採用する事業場において、その対象となる労働者が対象期間中に退職した場合、賃金を清算するため、対象期間の初日から、1日8時間または1週40時間を超える時間について、割増賃金を支払うよう賃金を計算し直す必要がある。(発展)
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正しい 誤り
17
2D
 労働基準法第32条の4に規定するいわゆる1年単位の変形労働時間制を採用する事業場において、その対象となる労働者が対象期間中に退職した場合、当該労働者について、当該労働させた期間を平均し1週間当たり40時間を超えて労働させた場合においては、その超えた時間(同法第33条又は36条第1項の規定により延長し、又は休日に労働させた時間を除く)の労働については、同法第37条の規定の例により割増賃金を支払わなければならないが、これを支払わない場合には、同法第24条違反となる。(11-4Bの類型)
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1















3.1週間単位の非定型的変形労働時間制(32条の5) 基礎講座
 「使用者は、日ごとの業務に著しい繁閑の差が生ずることが多く、かつ、これを予測した上で就業規則その他これに準ずるものにより各日の労働時間を特定することが困難であると認められる厚生労働省令で定める事業(小売業、旅館、料理店、飲食店)であつて、常時使用する労働者の数が厚生労働省令で定める数未満(30人未満)のものに従事する労働者については、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定があるときは、32条2項の規定にかかわらず、1日について10時間まで労働させることができる」  

 @「32条2項の規定にかかわらず」とは、1日当たり8時間を超えてもよい(10時間が限度)が、
   32条1項すなわち「1週間当たり40時間」以内は守らないといけない。
 A1週当たり、44時間の特例は適用されない。
 Bこれらを超える場合は、36協定の締結が必要。 
 「同2項 使用者は、前項の規定により労働者に労働させる場合においては、厚生労働省令で定めるところにより、当該労働させる1週間の各日の労働時間を、あらかじめ、当該労働者に通知しなければならない」
 「同3項 使用者は、厚生労働省令で定めるところにより、1項の協定を行政官庁に届け出なければならない」
 対象事業等(施行規則12条の5)
 「法32条の5の1項の厚生労働省令で定める事業は、小売業、旅館、料理店及び飲食店の事業とする」
 「2項 法32条の5の1項の厚生労働省令で定める数は、30人とする」
 「3項 法32条の5の2項の規定による1週間の各日の労働時間の通知は、少なくとも、当該1週間の開始する前に、書面により行わなければならない。
 ただし、緊急でやむを得ない事由がある場合には、使用者は、あらかじめ通知した労働時間を変更しようとする日の前日までに書面により当該労働者に通知することにより、当該あらかじめ通知した労働時間を変更することができる」 
28
4D
 労働基準法第32条の5に定めるいわゆる一週間単位の非定型的変形労働時間制は、小売業、旅館、料理店若しくは飲食店の事業の事業場、又は、常時使用する労働者の数が30人未満の事業場、のいずれか1つに該当する事業場であれば採用することができる。
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正しい 誤り
22
5C
 労働基準法第32条の5に定めるいわゆる1週間単位の非定型的変形労働時間制については、日ごとの業務の繁閑を予測することが困難な事業に認められる制度であるため、1日の労働時間の上限は定められていない。(基礎)
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4.変形労働時間制の適用にあたって
 起算日(施行規則12条の2)
 「使用者は、法32条の2(1か月単位の変形労働制)、法32条の3(フレックスタイム制)、法32条の4(1年単位の変形労働時間制)の規定により労働者に労働させる場合には、就業規則その他これに準ずるもの又は書面による協定(労使委員会の決議及び労働時間等設定改善委員会の決議を含む)において、各条項までにおいて規定する期間(変形労働期間)の起算日を明らかにするものとする」
 年少者への適用(60条3項2号)
 「1週間について48時間、1日について8時間を超えない範囲内において、1か月単位の変形労働時間制、1年単位の変形労働時間制により労働させることができる」
⇒詳細、過去問等はこちらを
 妊産婦への適用については、こちらを 
 育児を行う者等への特別の配慮(施行規則12条の6)
 「使用者は、1か月単位の変形労働時間制、1年単位の変形労働時間制又は、1週間単位の非定型的変形労働時間制の規定により労働者に労働させる場合には、
 育児を行う者、老人等の介護を行う者、職業訓練又は教育を受ける者その他特別の配慮を要する者については、これらの者が育児等に必要な時間を確保できるような配慮をしなければならない」
 特例事業における特例時間の適用
こちらを参照のこと 
 
 1年単位の変形労働時間制における労働時間の限度等」(施行規則12条の4)
3
 労働日数の限度は、対象期間が3箇月を超える場合は対象期間について1年当たり280日とする。
 ただし、対象期間が3箇月を超える場合において、当該対象期間の初日の前1年以内の日を含む3箇月を超える期間を対象期間として定める旧協定があった場合において、1日の労働時間のうち最も長いものが、旧協定の定める1日の労働時間のうち最も長いもの若しくは9時間のいずれか長い時間を超え、 又は1週間の労働時間のうち最も長く、旧協定の定める1週間の労働時間のうち最も長いもの若しくは48時間のいずれか長い時間を超えるときは
 旧協定の定める対象期間について1年当たりの労働日数から1日を減じた日数又は280日のいずれか少ない日数とする。 
⇒ 原則 1年280日
⇒ 旧協定がある場合で一定の要件のとき(新協定で1日の最長労働時間を旧協定よりも長くしかつ9時間超としたとき、あるいは1週間の最長労働時間を旧協定よりも長くしかつ48時間超としたとき)は、
 旧協定日数-1日(280日を超えるときは280日)
4
 1日の労働時間の限度は10時間とし、1週間の労働時間の限度は52時間とする。
 対象期間が3箇月を超えるときは、次の各号のいずれにも適合しなければならない。

1

 対象期間において、労働時間が48時間を超える週が連続する場合、3週間以下であること。
⇒ 4週間以上連続してはだめ

 2

 対象期間をその初日から3箇月ごとに区分した各期間において、その労働時間が48時間を超える週の初日の数が3以下であること。
⇒ 初日の数が3以下とは、その週の最終日が次の3か月にずれこむ場合でも、初日の属する3か月期間としてカウントするということ。
5
 対象期間における連続して労働させる日数の限度は6日とし、特定期間として定められた期間における連続して労働させる日数の限度は、1週間に1日の休日が確保できる日数(すなわち12日)とする。
注:3項、4項については、平成11年改正前においては、
  1日の労働時間の限度は、 3か月以下のとき10時間、3か月を超えるとき9時間
  1週間の労働時間の限度は、3か月以下のとき52時間、3か月を超えるとき48時間で、
  年間労働日数の限度なし、であったものを、
  一律に10時間、52時間とし、年間労働日数の限度を280日と改正したため、従前の労働条件より低下することのないように配慮したものである。