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 支給停止(在職老齢年金)、失権
関連過去問 13-7E14-10C14-10D14-10E15-6C16-7D16-7E17-1D17-5A17-5C20-6A20-10C20-10E21-6C22-2B22-2C22-2D23-2D23-9C24-4A24-4D24-9A25-8B25-8E26-6C27-8E27-9A27-9B28-7オ29-1C29-10D令元ー10エ令2-10ウ令3-7B令4-8A令4-8B令4-8C令4-8E令5-4イ
 28-1選択令4-3選択
関連条文等 報酬比例部分のみからなる特別支給老齢厚生年金の在職老齢年金(附則11条)、基金の加入期間がある者の在職老齢年金(附則11条2項)、定額部分の支給もありうる特別支給老齢厚生年金受給者に対する60歳台前半在職老齢年金(H6年改正法附則21条)、障害者・長期加入者の60歳台前半の在職老齢年金(附則11条の2)、坑内員・船員の60歳台前半の在職老齢年金(附則11条の3)、 特別支給の老齢厚生年金繰上げ者の在職老齢年金(附則13条の6)、在職老齢年金等の支給停止期間の特例(附則15条の3)
60歳台後半からの在職老齢年金(46条)、在職老齢年金の支給停止期間の特例(46条5項)
70歳以上で使用される者
失権(45条)
別ページ掲載:特別支給の老齢厚生年金と雇用保険との調整

1.60歳台前半の在職老齢年金 
1.1 報酬比例部分のみからなる特別支給老齢厚生年金の在職老齢年金(附則11条) 法改正(R04,04.01)法改正(H27.10.01)、法改正(H17)
 「附則8条(60歳台前半の老齢厚生年金)の規定による老齢厚生年金(43条1項(報酬比例部分の本来の老齢厚生年金)及び附則9条の規定によりその額が計算させているものに限る)の受給権者が被保険者である日又は国会議員若しくは地方公共団体の議会の議員(前月以前の月に属する日から引き続いて議員である者に限る)である日(以下被保険者等である日)が属する月において、
 その者の総報酬月額相当額と老齢厚生年金の額を12で除して得た額(基本月額)との合計額が46条3項の支給停止調整額を超えるときは、その月の分の当該老齢厚生年金について、総報酬月額相当額と基本月額との合計額から支給停止調整額を控除して得た額の2分の1に相当する額に12を乗じて得た額(支給停止基準額)に相当する部分の支給を停止する。
  ただし、支給停止基準額が老齢厚生年金の額以上であるときは、老齢厚生年金の全部の支給を停止するものとする」
重要補足
・本条の対象者:報酬比例部分のみからなり、定額部分、加給年金は支給されない60歳台前半の老齢厚生年金の受給権者(除く特例対象者)である。
 1号男子、2号・3号・4号女子にあっては、昭和24年4月2日以降生まれの者が65歳になるまで
 1号女子にあっては、昭和29年4月2日以降生まれの者が65歳になるまで
・定額部分、場合によっては加給年金額も支給される60歳台前半の老齢厚生年金の受給権者の場合:H6年改正法附則21条による。(支給停止の計算において、定額部分は含むが加給年金額は含めない)
・坑内員・船員の特例対象者:定額部分、加給年金額も支給されるので、附則11条の3による。(支給停止の計算において、定額部分は含むが加給年金額は含めない)
・ 障害者・長期加入の特例対象者:定額部分、加給年金額も支給されるが、在職すると特例に該当しなくなるなど少し複雑で、附則11条の2による。
 改正点とポイント
@60歳台前半の在職老齢年金については、従来の低在老方式(28万円クラス基準)をやめて、高在老方式(48万円クラス基準)に一本化された。
A令和4年4月分から
 支給停止額(月額)=(総報酬月額相当額+基本月額ー支給停止調整額(48万円クラス基準)×1/2
B支給停止調整額(令和5年度値⁾は、47万円から48万円
 総報酬月額相当額+基本月額の条件  1か月当たり支給停止基準額(計算額)
総報酬月額相当額+基本月額>48万円  (総報酬月額相当額+基本月額−48万円)×1/2
⇒報酬月額相当額+基本月額が48万円を超えるときは、超えた額の1/2 
C60歳台前半の在職老齢年金の適用期間は
・男子又は厚生年金2号、3号、4号被保険者であった女子にあっては、昭和36年4月1日以前生れの者が65歳になるまで。
・厚生年金1号被保険者であった女子にあっては、昭和41年4月1日以前生れの者が65歳になるまで。
・それ以降生れの者が65歳前に繰上げする場合は、60歳台前半であっても、60歳台後半の在職老齢年金が適用される。
・ただし、いずれの場合も支給停止額は年令によらないことに。
 補足
@「被保険者である日」とは、46条にあるように、「前月以前の月に属する日から引き続き当該被保険者の資格を有する者が被保険者である日、または資格を喪失した日(ただし、その後資格取得せずに喪失日から起算して一月経過した場合は除く)
 詳しくはこちらを
A2以上の種別の被保険者期間がある場合の詳細はこちらを。
B在職老齢年金による支給停止月等についてはこちらを
C再就職・退職改定と在労支給停止についてはこちらを  
  参考:改正前の低在労方式による支給停止額(R04.04.01改正前の旧附則11条
 「前略 総報酬月額相当額(標準報酬月額とその月以前の1年間の標準賞与額の総額を12で除して得た額とを合算して得た額)と老齢厚生年金の額を12で除して得た額(基本月額)との合計額が支給停止調整開始額を超えるときは、次の各号に掲げる場合に応じ、各号に定める額に12を乗じて得た額(支給停止基準額)に相当する部分の支給を停止する
 ただし、支給停止基準額が老齢厚生年金の額以上であるときは、老齢厚生年金の全部の支給を停止するものとする」
基本月額の条件  総報酬月額相当額の条件   1か月当たり支給停止基準額(計算額)
基本月額が支給停止調整開始額(28万円クラス基準値)以下  総報酬月額相当額が支給停止調整変更額(48万円クラス基準値)以下  (総報酬月額相当額+基本月額−支給停止調整開始額(28万円クラス基準値)×1/2
 総報酬月額相当額が支給停止調整変更額(48万円クラス基準値)を超過  (支給停止調整変更額(48万円クラス基準値)+基本月額−支給停止調整開始額(28万円クラス基準)値×1/2+総報酬月額相当額−支給停止調整変更額(48万円クラス基準値)
基本月額が支給停止調整開始額(28万円クラス基準値)を超過  総報酬月額相当額が支給停止調整変更額(48万円クラス基準値)以下  総報酬月額相当額×1/2
 総報酬月額相当額が支給停止調整変更額(48万円クラス基準値)を超過  支給停止調整変更額(48万円クラス基準値)×1/2+総報酬月額相当額−支給停止調整変更額(48万円クラス基準値)

 基金の加入期間がある者の在職老齢年金(附則11条2項
 「被保険者であつた期間の全部又は一部が厚生年金基金の加入員であつた期間である者に支給する附則8条の規定による老齢厚生年金については、前項中「老齢厚生年金の額を」とあるのは、「平成25年改正法附則86条1項の規定によりなおその効力を有するものとされた平成25年改正法1条の規定による改正前の44条の2の1項の規定の適用が基金の加入期間がある者の在職老齢年金(ないものとして計算した老齢厚生年金の額を」とする」
⇒基金の加入期間がある者の在職老齢年金については、基本月額の計算は、基金に加入しなかったものとして計算した老齢厚生年金の額の1/12とする」

 「旧附則11条2項 削除 前項の支給停止調整開始額は、28万円とする。
 ただし、28万円に平成17年度以後の各年度の再評価率の改定の基準となる率であって政令で定める率をそれぞれ乗じて得た額(5,000円未満の端数はこれを切り捨て、5,000円以上1万円未満の端数は1万円に切り上げ)が28万円(あるいは直近の改定額)を超え、又は下るに至った場合においては、当該年度の4月以後の支給停止調整開始額を当該乗じて得た額に改定する」
⇒支給停止調整開始額は政令で定める率(新規裁定者の再評価率)に応じるが、物価スライド特例措置が適用される期間中は1で、物価指数が平成17年の物価指数を下回る場合はその低下した率)に応じて、自動改定される。(基礎データはこちらを) 
平成26年度の支給停止調整開始額=28万円×1.0×0.997×1.0×1.0×1.0×1.0×0.996×0.997
×1.0×1.0)
=28万円(277,209の5千円以上切上げ)
平成27年度値は物価スライド特例措置が廃止されたので、名目手取り取賃金変動率1.014を上記に掛けた値 (281,090)となるが、依然として28万円。
平成28年度値=28万円×(1.0×0.997×1.0×1.0×1.0×1.0×0.996×0.997
×1.0×1.0×1.014×1.000)から28万円
平成29年度値= 28万円×(1.0×0.997×1.0×1.0×1.0×1.0×0.996×0.997
×1.0×1.0×1.014×1.000×0.999)から28万円;
平成30年度値=28万円×(1.0×0.997×1.0×1.0×1.0×1.0×0.996×0.997
×1.0×1.0×1.014×1.000×0.999×0.999)から28万円
平成31年(令和元年)度値=28万円×(1.0×0.997×1.0×1.0×1.0×1.0×0.996×0.997
×1.0×1.0×1.014×1.000×0.999×0.999×1.001)から28万円
令和2年度値=28万円×(1.0×0.997×1.0×1.0×1.0×1.0×0.996×0.997
×1.0×1.0×1.014×1.000×0.999×0.999×1.001×1.003)から28万円
 「旧3項 削除 支給停止調整変更額は、48万円とする。ただし、48万円に平成17年度以後の各年度の物価変動率に実質賃金変動率を乗じた額・・・・・・」
⇒平成4年4月1日以降は、支給停止調整額(46条3項)による。 
1.2 その他の特別支給老齢厚生年金受給者に対する60歳台前半在職老齢年金
(1)定額部分の支給もありうる特別支給老齢厚生年金受給者に対する60歳台前半在職老齢年金(H6年改正法附則21条)
 「附則8条(60歳台前半の老齢厚生年金)の規定による老齢厚生年金(H6附則18条(昭和16年4月1日以前生まれ(1号女子にあっては昭和21年4月1日以前生まれ)、H6附則19条(昭和16年4月2日以降から昭和24年4月1日まで生まれで1号女子を除く)、H6附則20条(昭和21年4月2日以降29年4月1日生れの1号女子)、H6附則20条の2((特定警察職員等)及び附則9条の規定によりその額が計算されているものに限る)の受給権者が被保険者である日又は国会議員若しくは地方公共団体の議会の議員(前月以前の月に属する日から引き続いて議員である者に限る)である日(以下被保険者等である日)が属する月において、
 その者の総報酬月額相当額と老齢厚生年金の額(加給年金額を除く)を12で除して得た額(基本月額)との合計額が46条3項の支給停止調整額を超えるときは、その月の分の当該老齢厚生年金について、総報酬月額相当額と基本月額との合計額から支給停止調整額を控除して得た額の2分の1に相当する額に12を乗じて得た額(支給停止基準額)に相当する部分の支給を停止する。
  ただし、支給停止基準額が老齢厚生年金の額以上であるときは、老齢厚生年金の全部の支給を停止するものとする」
⇒定額部分、加給年金がある特別支給の老齢厚生年金受給権者について、在職老齢年金を計算する場合は、定額部分は基本月額に含めるが、加給年金額は除く。
⇒令和4年3月分までの、過去の在職老齢年金を計算する場合は、低在老方式で行うこと。
(2)障害者・長期加入者の60歳台前半の在職老齢年金(附則11条の2) 法改正(R04,04.01:低在老から高在労化に伴う改正)具体的にはこちら
 「障害者・長期加入者の老齢厚生年金の受給権者が被保険者等である日が属する月において、その者の総報酬月額相当額と当該老齢厚生年金に係る報酬比例部分の額を12で除して得た額(基本月額)との合計額が支給停止調整額以下であるときは、その月の分の当該老齢厚生年金について、加給年金額が加算されているときは、定額部分の額に加給年金額を加えた額(基本支給停止額)に相当する部分の支給を停止する」
 「2項 障害者・長期加入者の老齢厚生年金の受給権者が被保険者等である日が属する月において、その者の総報酬月額相当額と基本月額との合計額が支給停止調整額を超えるときは、その月の分の当該老齢厚生年金について、基本支給停止額と総報酬月額相当額及び基本月額の合計額から支給停止調整額を控除して得た額の2分1に相当する額に12を乗じて得た額との合計額(支給停止基準額)に相当する部分の支給を停止する。
 ただし、支給停止基準額が老齢厚生年金の額以上であるときは、老齢厚生年金の全部の支給を停止するものとする」
(3)坑内員・船員の60歳台前半の在職老齢年金(附則11条の3)法改正(R04,04.01:低在老から高在労化に伴う改正)具体的にはこちら
 「坑内員・船員の老齢厚生年金の受給権者が被保険者等である日が属する月において、その者の総報酬月額相当額と老齢厚生年金の額(加給年金額を除く)を12で除して得た額(基本月額)との合計額が支給停止調整額を超えるときは、その月の分の当該老齢厚生年金について、総報酬月額相当額と基本月額との合計額から支給停止調整額を控除して得た額の2分の1に相当する額に12を乗じて得た額(支給停止基準額)に相当する部分の支給を停止する。
 ただし、支給停止基準額が老齢厚生年金の額以上であるときは、老齢厚生年金の全部の支給を停止するものとする」
繰上げと在職老齢年金 2 老齢厚生年金の繰上げと在職老齢年金
2.1  特別支給の老齢厚生年金繰上げ者の在職老齢年金(附則13条の6)  法改正(R04,04.01、附則11条に準じた改正)
 「附則13条の4(特別支給の老齢厚生年金の支給開始前の繰上げ)の規定による老齢厚生年金の受給権者(その者が65歳に達していないものに限る)が被保険者等である日が属する月において、その者の総報酬月額相当額と老齢厚生年金の額(加給年金額を除く)を12で除して得た額(基本月額)との合計額が支給停止調整額を超えるときは、その月の分の当該老齢厚生年金について、総報酬月額相当額と基本月額との合計額から支給停止調整額を控除して得た額の2分の1に相当する額に12を乗じて得た額(支給停止基準額)に相当する部分の支給を停止する。
  ただし、支給停止基準額が老齢厚生年金の額以上であるときは、老齢厚生年金の全部の(繰り下げ加算額を除く)の支給を停止するものとする」

@特別支給の老齢厚生年金繰上げ者には、65歳未満である限り、65歳台前半の在職老齢年金の仕組みが適用される。
Aよって、基本手当との調整、高年齢雇用継続基本給付金との調整も適用される。
2.2 特別支給の老齢厚生年金がない者の在職老齢年金(附則7条の5)
@昭和36年4月2日以後生まれの男、昭和41年4月以降生まれの女子などが対象者で、65歳前であっても65歳以降に支給される本来の老齢厚生年金を受給していることから、60歳台後半の在職老齢年金の仕組みが適用される。
A実際には65歳にはなっていないから、基本手当との調整、高年齢雇用継続基本給付金との調整もある。



















3.在職老齢年金の適用開始月、支給停止月
 在職老齢年金等の支給停止期間の特例(附則15条の3)、
 「附則7条の5(繰上げ者の在職老齢年金)、附則11条(60歳台前半の在職老齢年金)、附則11条の2(障害者・長期加入者の特老厚の在職老齢年金)、附則11条の3(坑内員・船員の特老厚の在職老齢年金)、附則13条の6(特別支給の老齢厚生年金繰上げ者の在職老齢年金)等の規定により老齢厚生年金の全部又は一部の支給を停止する場合においては、 36条2項の規定は適用しない」
⇒ 在職老齢年金の仕組みにより老齢厚生年金の全部又は一部の支給を停止する場合の支給停止期間は、36条2項「支給停止事由が生じた月の翌月からその事由が消滅した月までの間は支給しない」によるのではなく、個々の条項の定めに従う。
 ただし、月末退職など一定の場合を除いて、原則的には、「支給停止事由が生じた月の翌月からその事由が消滅した月まで」である。
 また、標準報酬月額が定時決定、随時改定などによって変わった月、あるいはその月以前の1年間の標準賞与額の総額が違う額になった場合は、その月からあらたな額に基づく支給停止額が適用される。
⇒)そのほか、附則7条の4(基本手当との調整)、附則11条の6(高年齢雇用継続給付との調整)なども同様である、

 在職老齢年金の適用開始月(70歳未満の者の60歳台後半の在職老齢年金も同じ)
老齢厚生年金(特老厚を含む以下同じ)の受給権者でありかつ、被保険者であって、前月以前の月に属する日から引き続き被保険者である月から始まる。
・「受給権者」とあるから、受給権があるのに実際には請求していない場合でも調整はある。(退職してから請求しても、同じ結果である)
@ 前月以前から引き続き被保険者である者が、老齢厚生年金の受給権が発生したときは、受給権が発生した月の翌月から調整が始まる。
A老齢厚生年金の受給権はあるが被保険者資格がなかった者が、被保険者資格を喪失後1か月経過後に、再就職して被保険者となった場合は、再就職月の翌月から調整が始まる。
B老齢厚生年金の受給権はあるが被保険者資格がなかった者が、被保険者資格を喪失後1か月以内に、再就職して被保険者となった場合は、
・月途中の退職で被保険者資格を喪失した者であれば、再就職月の翌月から調整が始まる。
・月末退職で被保険者資格を喪失した者であれば、再就職月は前の会社の報酬にもとづく調整が残り、再就職月の翌月から新しい会社の報酬にもとづく調整が始まる。
 チョッと補足(在職老齢年金による支給停止月。在職老齢年金も同じ)
(1)H27.10.01改正前までは、「被保険者である日に相当するものとして政令で定める日(資格喪失日)」とあったところ、その代わりに、「厚生労働省令で定める日(すなわち、資格喪失後再び資格取得しないで1月経過した場合は資格喪失日)を除く」を追加した。
 これにより、「資格喪失後1月以内に再取得しない場合は、資格喪失日は被保険者である日としない」ことに。
・月途中での退職の場合(たとえば、3月20日をもって退職):在職老齢年金の適用は退職月(3月)まで(従来通り)
⇒退職月(3月)においては、厚生年金保険料は納付義務がなくで標準報酬月額もないことになるので、退職月(3月)の総報酬月額相当額は、退職月前月(2月)の標準報酬月額+退職月以前1年間(前年4月から3月まで)の標準賞与額総額/12が用いられる。
・月末退職(たとえば、3月31日をもって退職)であって、翌月月末までは再就職しない場合:在老の適用は退職月(3月)まで。
 (改正前までは、退職日翌日も被保険者とみなされていたので、退職月翌月も「被保険者である日が属する月」として、在老の適用があったが、改正後は、(被保険者である)から退職日翌日(資格喪失日)は除かれることになり、在老の適用は退職月(3月)まで)
⇒退職月(3月)においては、厚生年金保険料は納付義務があるので、退職月(3月)の総報酬月額相当額は、退職月(3月)の標準報酬月額+退職月以前1年間(前年4月から3月まで)の標準賞与額総額/12が用いられる。
・月末退職(たとえば、3月31日をもって退職)であって、翌月月末までに再就職した場合:資格喪失日(4月1日)は(被保険者である)から除かれないので、改正前と同じく退職月翌月(4月)までは在老が適用される。
⇒退職月翌月(4月)に再就職した場合であっても、退職月翌月(4月)の総報酬月額相当額は、退職月(3月)の標準報酬月額+退職月翌月以前1年間(前年5月から4月まで(実質は3月まで)の標準賞与額総額/12が用いられる。
(2)再就職に伴う在老の適用再開は、「前月以前の日から引き続き被保険者である月に適用」とあるから、
・月途中での退職であって、同月あるいはそれ以降の月に再就職の場合:(退職月までは、前の会社の総報酬月額相当額件で在老が適用され) 新しい会社での在老の適用は、再就職月の翌月からである。
・月末退職であって、翌月月末までの再就職でない場合:(退職月までは、前の会社の総報酬月額相当額で在老が適用され) 新しい会社での在老の適用は再就職月の翌月からである。
・月末退職であって、翌月月末までに再就職した場合:(退職月翌月までは前の会社の総報酬月額相当額で在老が適用されれ) 新しい会社での在老の適用は再就職月の翌月からである。
⇒すなわち、退職日翌日に再就職(同日得喪による同じ会社での再雇用を含む)したとしても、退職月翌月(再就職月)の総報酬月額相当額は、前の会社における退職月の標準報酬月額+退職月翌月(実際には退職月翌月は0)以前1年間の標準賞与額総額/12が用いられる。
(3)70歳以上の使用される者に対する在職老齢年金の適用も同様。
(4)国会議員・地方議会議員で老齢厚生年金の受給権がある者は、前月から引き続き議員であれば、在職老齢年金を適用することになった。(一元化前は、退職共済年金のみ支給調整があったが、一元化後は(老齢厚生年金+退職共済年金)に対して、厚生年金法による調整が行われる)
60



















 60歳台前半の在職老齢年金支給停止額のまとめ
(A)通常の老齢厚生年金受給者
(A-1)報酬比例部分のみが支給されているとき(附則11条): 
 基本月額=報酬比例部分年金額/12として、支給停止計算額を計算し、
 計算額が0のとき:1か月当たり報酬比例部分の全額を支給     
 計算額<1か月当たり報酬比例部分額のとき:計算額を停止
 計算額≧1か月当たり報酬比例部分額のとき:全額停止
(A-2)定額部分も支給されているとき(H6年改正法附則21条): 
   基本月額=(報酬比例部分+定額部分年金額)/12(加給年金額は除く)として、支給停止計算額を計算し、
 計算額が0のとき:1か月当たり報酬比例部分+定額部分の全額を支給(加給年金額も支給)
 計算額<1か月当たり報酬比例部分+定額部分額のとき:計算額を停止({加給年金額は全額支給)
 計算額≧1か月当たり報酬比例部分+定額部分額のとき:全額停止(加給年金額も全額停止)
(A-3)基金加入期間がある場合(附則11条5項)
 基本月額=基金の加入はなかったものと仮定して求めた老齢厚生年金額/12として、支給停止計算額を計算。
 計算額が0のとき:全額支給(加給年金額があれば、支給)
 計算額<1か月当たり国から支給される老齢厚生年金額のとき:計算額を停止(加給年金額はあれば全額支給)
 1か月当たり国から支給される老齢厚生年金額≦計算額<基金の加入はなかったものと仮定して求めた老齢厚生年金額のとき:
 国からの年金は全額停止(加給年金額はあれば全額支給)、基金からの年金は原則としてに残りの停止すべき部分を停止(ただし、規約により支給される場合もありうる)
 計算額≧基金の加入はなかったものと仮定して求めた老齢厚生年金額のとき:国からの年金は全額停止(加給年金額も全額停止)、基金からの年金も原則として全額停止
(B)坑内員・船員特例の場合(附則11条の3) 
 特例に該当すれば定額部分も支給される者であるので、(A-2)に同じ
(C)障害者特例・長期加入者特例の場合:(附則11条の2)
   特例に該当すれば報酬比例部分と同時に定額部分、加給年金が支給されるが、これは在職していないことが条件になっているので、再就職した場合は、この特例扱いはなくなり、以下による。
(C-1)通常の定額部分支給開始年齢前のとき:定額部分及び加給年金額は自動停止となり、(A-1)の計算式を適用
 基本月額=報酬比例部分年金額/12として、支給停止計算額を計算し、
 計算額が0のとき:1か月当たり報酬比例部分の全額を支給(基本支給停止額である定額部分及び加給年金額は停止)
   計算額<1か月当たり報酬比例部分額のとき:報酬比例部分の計算額を停止(基本支給停止額である定額部分及び加給年金額は停止)
 計算額≧1か月当たり報酬比例部分額のとき:全額停止(基本支給停止額である定額部分及び加給年金も停止))
(C-2)通常の定額部分支給開始年齢に到達した時:特例に該当しなくても定額部分が支給される場合は(A-2)と同じ。
























22
2D
 厚生年金保険の被保険者である老齢厚生年金の受給権者について、支給される年金額を調整する仕組みは、在職老齢年金と呼ばれる。(基礎)

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正しい 誤り
25
8B
 在職老齢年金の支給停止額を計算する際の「総報酬月額相当額」とは、その者の標準報酬月額と直前の7月1日以前1年間の標準賞与額の総額を12で除して得た額とを合算した額である。(基礎)

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正しい 誤り

4
8A
 在職老齢年金の支給停止額を計算する際に用いる総報酬月額相当額は、在職中に標準報酬月額や標準賞与額が変更されることがあっても、変更されない。
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正しい 誤り
16
7D
 受給権者の年齢が65歳未満の場合と65歳以上の場合では、在職老齢厚生年金の額の計算式、総報酬月額相当額と基本月額の計算式は年齢にかかわらず同じである。(R04改)(基礎)

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正しい 誤り
24
4A
 60歳台前半の在職老齢年金、60歳台後半の在職老齢年金については、それぞれの支給停止額の計算式だけではなく、総報酬月額相当額と基本月額の計算式も異なる。(16-7Dの類型)

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正しい 誤り

3
7B
 在職中の老齢厚生年金の支給停止の際に用いる総報酬月額相当額とは、被保険者である日の属する月において、その者の標準報酬月額とその月以前の1年間の標準賞与額の総額を12で除して得た額とを合算して得た額のことをいい、また基本月額とは、老齢厚生年金の額(その者に加給年金額が加算されていればそれを加算した額)を12で除して得た額のことをいう。
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正しい 誤り
23
2D
 在職老齢年金の支給停止調整額は、法律上、賃金等の変動に応じて改定される仕組みとなっている。令和5年度の在職老齢年金の支給停止調整額については、47万円から48万円に改定された。(基礎)(R05改)

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正しい 誤り
20
6A
 在職老齢年金における支給停止額の計算において、厚生年金保険法に規定する支給停止調整額を計算するときの端数処理については、500円未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、500円以上1,000円未満の端数が生じたときは、これを1,000円に切り上げるものとされている。(R04改)

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正しい 誤り



60





















13
7E
 在職者で、特別支給の老齢厚生年金を受給している者の基本月額は、報酬比例部分の100分の80に相当する額を12で除した額であり、この額と総報酬月額相当額の合計が28万円以下の場合には、報酬比例部分の100分の20が支給停止されるが、定額部分及び加給年金額は停止されない。

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正しい 誤り
17
5C
 60歳台前半の在籍者に適用される特別支給の老齢厚生年金の支給停止額は、令和4年3月分までの年金については、当該被保険者の基本月額が支給停止調整開始額以下であり、かつ総報酬月額相当額が支給停止調整変更支給停止額の計算において額を超えるときは、支給停止調整変更額と基本月額の合計値から支給停止調整開始額を控除して得た額に2分の1を乗じて得た額に、総報酬月額相当額から支給停止調整変更額を控除して得た額を加えた額が、支給停止されていた。(R04改)

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正しい 誤り


10
 64歳である特別支給の老齢厚生年金の受給権者が、被保険者(前月以前の月に属する日から引き続き当該被保険者の資格を有する者に限る)である日が属する月において、その者の標準報酬月額とその月以前の1年間の標準賞与額の総額を12で除して得た額とを合算して得た額及び特別支給の老齢厚生年金の額(加給年金額を除く)を12で除して得た額との合計額が48万円を超えるときは、その月の分の当該特別支給の老齢厚生年金について、当該合計額から48万円を控除して得た額の2分の1に相当する額に12を乗じて得た額が支給停止される。(R04、R05改)。(基礎)

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正しい 誤り
20
10
E
 60歳台前半の老齢厚生年金の受給権者が被保険者である場合、その者の総報酬月額相当額と老齢厚生年金の基本月額との合計額が48万円以下のときは、年金の支給停止は行われない。(R04、R05改)、(令元-10エの類型)

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正しい 誤り
支給停止額等の計算問題 16
7E
 加給年金額の対象となる配偶者及び子のいない特別支給の老齢厚生年金を受給する被保険者について、その年金額が150万円、総報酬月額相当額が28万円であるとき、その者に支給すべき特別支給の老齢厚生年金は月額6万2千500円である。

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正しい 誤り
24
9A
 60歳台前半の老齢厚生年金の基本月額が150,000円であり、その者の総報酬月額相当額が360,000円の場合の在職老齢年金の支給停止額は115,000円となる。なお、この基本月額には加給年金額が加算されている老齢厚生年金の場合、加給年金額を含めたものである。

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正しい 誤り
27
9A
 特別支給の老齢厚生年金(基本月額200,000円)を受給する被保険者について、標準報酬月額が240,000円であり、その月以前1年間の標準賞与額の総額が600,000円であったとき、支給停止後の年金月額は105,000円(加給年金額を除く)となる。

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正しい 誤り

4
3

 65歳未満の在職老齢年金について、総報酬月額相当額が42万円、老齢厚生年金の基本月額が10万円の場合、支給停止額は | D |となる。(R05改)
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低在老方式

2
10
 令和3年8月において、総報酬月額相当額が220,000円の64歳の被保険者が、特別支給の老齢厚生年金の受給権を有し、当該老齢厚生年金における基本月額が120,000円の場合、在職老齢年金の仕組みにより、令和4年3月分までは、月60,000円の当該老齢厚生年金が支給停止される。

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正しい 誤り
支給停止額等の変更 15
6C
 在職老齢厚生年金の支給停止額については、その者の標準報酬が改定された場合には、改定された月の翌月から新たな標準報酬に基づいて計算された額に変更される。(発展)

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正しい 誤り
20
10
C
 被保険者である60歳台前半の老齢厚生年金の受給権者について、その者の総報酬月額相当額が改定された場合は、改定が行われた月から新たな総報酬月額相当額に基づいて支給停止額が再計算され、当該改定が行われた月から、年金額が改定される。(15-6Cの類型)

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正しい 誤り
27
8E
 在職老齢年金を受給する者の総報酬月額相当額が改定された場合は、改定が行われた月の翌月から、新たな総報酬月額相当額に基づいて支給停止額が再計算され、年金額が改定される。 (15-6Cの類型)

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正しい 誤り
60



















































4.60歳台後半からの在職老齢年金(46条) 法改正(H27.10.01)、法改正(H19.4.1施行)
 「老齢厚生年金の受給権者被保険者(前月以前の月に属する日から引き続き当該被保険者の資格を有する者に限る)である日(厚生労働省令で定める日を除く)、
 国会議員若しくは地方公共団体の議会の議員(前月以前の月に属する日から引き続き当該国会議員又は地方公共団体の議会の議員である者に限る)である日又は
 70歳以上の使用される者(前月以前の月に属する日から引き続き当該適用事業所において厚生労働省令で定める要件(70歳以上の使用される者)に該当する者に限る)である日が属する月において、
 その者の標準報酬月額とその月以前の1年間の標準賞与額の総額を12で除して得た額とを合算して得た額((国会議員又は地方公共団体の議会の議員については、その者の標準報酬月額に相当する額として政令で定める額と、その月以前の1年間の標準賞与額及び標準賞与額に相当する額として政令で定める額の総額を12で除して得た額とを合算して得た額とし、
 70歳以上の使用される者(国会議員又は地方公共団体の議会の議員を除く)については、その者の標準報酬月額に相当する額と、その月以前の1年間の標準賞与額及び標準賞与額に相当する額の総額を12で除して得た額とを合算して得た額とする。以下「総報酬月額相当額」という)及び
老齢厚生年金の額(加給年金額及び繰り下げ加算額を除く。なおS60改正法附則62条により経過的加算も除く)を12で除して得た額(基本月額)との合計額が
 支給停止調整額
を超えるときは、その月の分の当該老齢厚生年金について、総報酬月額相当額と基本月額との合計額から支給停止調整額を控除して得た額の2分の1に相当する額に12を乗じて得た額(支給停止基準額)に相当する部分の支給を停止する。
  ただし、支給停止基準額が老齢厚生年金の額以上であるときは、老齢厚生年金の全部(繰り下げ加算額を除く)の支給を停止するものとする」
注1:国会議員又は地方公共団体の議会の議員
・標準報酬月額に相当する額として政令で定める額:いわゆる歳費(議員報酬)などとよばれるもの+各月以前1年間の、標準賞与額(通常の被保険者であった月)+標準賞与額に相当する額(議員である月における期末手当等の額)
注2:70歳以上の使用される者(国会議員又は地方公共団体の議会の議員を除く)
・標準報酬月額相当額+各月以前1年間の、標準賞与額(70歳未満の被保険者であった月)+標準賞与額に相当する額(70歳以上である月)
 これらは被保険者ではないので、形式上、相当額という名称が用いられているだけで、内容、届出や様式は殆どかわりはない。
 「3項 法改正 支給停止調整額は、48万円とする。
 ただし、48万円に平成17年度以後の各年度の物価変動率に実質賃金変動率を乗じた額(5,000円未満の端数は切り捨て、5,000円以上1万円未満の端数は1万円に切り上げ)が48万円(あるいは直近の改定額)を超え、又は下るに至った場合においては、当該年度の4月以後の支給停止調整額を当該乗じて得た額に改定する」
⇒支給停止調整額は名目賃金変動率(=物価変動率×実質賃金変動率)に応じて、自動改定される。(基礎データはこちらを)
 これまでの改定記録
平成22年度の支給停止調整額は、平成17年度から22年度までの名目賃金変動率(データはこちら)を掛けることにより、
48万円×(1.003×0.996×1,002×0.998×1.011×0.976)
=47万円(473,152円の5千円未満切り捨て) 
平成23年度値は、さらに23年度の名目賃金変動率を掛けることにより、
48万円×(1.003×0.996×1,002×0.998×1.011×0.976×0.980)
=46万円(463,689の5千円未満切り捨て)
 その後、平成24,25,26年度は改正はなかったが、
平成27年度値は、さらに24年度から27年度までの名目賃金変動率をさらに掛けることにより、
 48万(1.003×0.996×1,002×0.998×1.011×0.976×0.980×0.986×0.996
×1.005×1.025)=47万円(469,087の5千円以上切上げ)
平成28年度値は、さらに28年の名目賃金変動率1.000をに掛けることにより、47万円
平成29年度値は、48万円×(1.003×0.996×1,002×0.998×1.011×0.976
×0.980×0.986×0.996×1.005×1.025×1.000×0.991)
=46万円(464,865の5千円未満切下げ)
平成30年度値は、48万円×(1.003×0.996×1,002×0.998×1.011×0.976
×0.980×0.986×0.996×1.005×1.025×1.000×0.991×0.998)
=46万円(463,935の5千円未満切下げ)
平成31年(令和元年)度値は、48万円×(1.003×0.996×1,002×0.998×1.011×0.976
×0.980×0.986×0.996×1.005×1.025×1.000×0.991×0.998×1.008)
=47万円(467,645の5千円以上は万に切上げ) 法改正(H31.04.01)
令和2年度値は、48万円×(1.003×0.996×1,002×0.998×1.011×0.976
×0.980×0.986×0.996×1.005×1.025×1.000×0.991×0.998×1.008
×1.004)
=47万円(469.517の5千円以上は万円に切上げ)
令和3年度値は、48万円×(1.003×0.996×1,002×0.998×1.011×0.976
×0.980×0.986×0.996×1.005×1.025×1.000×0.991×0.998×1.008
×1.004×0.999)
=47万円(469.048の5千円以上は万円に切上げ)  
令和4年度値は、48万円×(1.003×0.996×1,002×0.998×1.011×0.976
×0.980×0.986×0.996×1.005×1.025×1.000×0.991×0.998×1.008
×1.004×0.999×0.996)
=47万円(467,1718の5千円以上は万円に切上げ)
令和5年度値は、48万円×(1.003×0.996×1,002×0.998×1.011×0.976
×0.980×0.986×0.996×1.005×1.025×1.000×0.991×0.998×1.008
×1.004×0.999×0.996×1.028)
48万円(480,252の5千円以上は万円に切上げ)

 支給停止調整額(令和5年度値法改正)48万円 
 総報酬月額相当額+基本月額の条件  1か月当たり支給停止基準額(計算額)
総報酬月額相当額+基本月額>48万円  (総報酬月額相当額+基本月額−48万円)×1/2
⇒報酬月額相当額+基本月額が48万円を超えるときは、超えた額の1/2 
 基本月額=老齢厚生年金額(加給年金額、繰り下げ加算額、経過的加算を除く)/12 として支給停止基準額(計算額)を計算し、
・計算額が0のとき
 全額支給(加給年金額、繰り下げ加算額、経過的加算も全額支給) 
・計算額<1か月当たり老齢厚生年金額(加給年金額、繰り下げ加算額、経過的加算を除く)のとき : 
 計算額を停止(加給年金額、繰り下げ加算額、経過的加算は全額支給) 
・計算額≧1か月当たり老齢厚生年金額(加給年金額、繰り下げ加算額、経過的加算を除く)のとき 
  全額停止(加給年金額も全額停止。繰り下げ加算額と経過的加算は全額支給)

 老齢厚生年金の支給停止の特例(S60改正法附則62条)
 「老齢厚生年金に係る46条1項等の規定の適用については、当分の間、「加給年金額及び繰り下げ加算額を除く」とあるのは、「加給年金額、繰り下げ加算額及び経過的加算額を除く」とする」
 在職老齢年金の支給停止期間の特例(46条5項)
 「1項の規定により老齢厚生年金の全部又は一部の支給を停止する場合においては、36条2項(支給停止事由が生じた月の翌月からその事由が消滅した月までの間は支給しない)の規定は適用しない」
60歳台前半の在職老齢金の場合と同じである。
 厚生労働省令で定める日(施行規則32条の2)法改正(H27.10.01新規)
 「老齢厚生年金の受給権者が被保険者の資格を喪失した日(当該被保険者の資格を喪失し、かつ、被保険者となることなくして被保険者の資格を喪失した日から起算して一月を経過した場合に限る)とする」
 2以上の種別の被保険者期間がある場合の60台後半の在職老齢年金:老齢厚生年金の支給停止の特例(78条の29)
14
10
C
 平成27年10月1日の法改正前までは、平成14年4月1日前に65歳からの老齢厚生年金の受給権を取得した者は、60歳台後半の在職老齢年金制度は適用されなかった。(H28改)

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正しい 誤り



























14
10
D
 60歳台後半の在職老齢年金制度においては、老齢基礎年金は、支給停止されず全額支給される。(基礎)

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正しい 誤り
24
4D
 60歳台後半の在職老齢年金においては、支給停止の対象となるのは老齢厚生年金と経過的加算額であり、老齢基礎年金は支給停止の対象にはならない。
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正しい 誤り
25
8E
 60歳台後半の老齢厚生年金の受給権者が被保険者である間の総報酬月額相当額が300,000円であって、老齢厚生年金の額(加給年金額及び繰下げによる加算額を除く)と老齢基礎年金の額との合計額を12で除して得た額が220,000円の場合、総報酬月額相当額と220,000円との合計額が、支給停止調整額(480,000円)を超えているため、その合計額から支給停止調整額を控除して得た額の2分の1に相当する額である25,000円に12を乗じて得た額に相当する部分が支給停止される。(24-4Dの類型、R05改、27年改) 

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正しい 誤り
26
6C
 66歳で支給繰下げの申出を行った68歳の老齢厚生年金の受給権者が被保険者となった場合、当該老齢厚生年金の繰下げ加算額は在職老齢年金の仕組みによる支給停止の対象とならない。

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29
1C
 60歳台後半の在職老齢年金の仕組みにおいて、経過的加算額及び繰下げ加算額は、支給停止される額の計算に用いる基本月額の計算の対象に含まれる。(26-6Cの類型)
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4
8C
 在職中の被保険者が65歳になり老齢基礎年金の受給権が発生した場合において、老齢基礎年金は在職老齢年金の支給停止額を計算する際に支給停止の対象とはならないが、経過的加算額については在職老齢年金の支給停止の対象となる。(29-1Cの類型)
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調


4
8E
 在職老齢年金について、支給停止額を計算する際に使用される支給停止調整額は、一定額ではなく、年度ごとに改定される場合がある。
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正しい 誤り




















22
2B
  60歳台後半の老齢厚生年金の受給権者が被保険者である間、老齢厚生年金については、総報酬月額相当額と老齢厚生年金の基本月額の合計額から48万円を控除した額の2分の1に相当する額に相当する部分が支給停止される。(基礎、R05改、31年改)

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28
1

 厚生年金保険法第46条第1項の規定によると、60歳台後半の老齢厚生年金の受給権者が被保険者(前月以前の月に属する日から引き続き当該被保険者の資格を有する者に限る)である日(厚生労働省令で定める日を除く)が属する月において、その者の標準報酬月額とその月以前の1年間の標準賞与額の総額を12で除して得た額とを合算して得た額(以下「| A |」という)及び老齢厚生年金の額(厚生年金保険法第44条第1項に規定する加給年金額及び同法第44条の3第4項に規定する加算額を除く。以下同じ)を12で除して得た額(以下「基本月額」という)との合計額が| B |を超えるときは、その月の分の当該老齢厚生年金について、| A |と基本月額との合計額から| B |を控除して得た額の2分の1に相当する額に12を乗じて得た額(以下「| C |」という)に相当する部分の支給を停止する。
 ただし、| C |が老齢厚生年金の額以上であるときは老齢厚生年金の全部(同法第44条の3第4項に規定する加算額を除く)の支給を停止するものとされている。
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14
10
E
 60歳台後半の在職老齢年金制度においては、総報酬月額相当額と加給年金額を除く老齢厚生年金の基本月額の合計額が37万円に達するまでは、老齢厚生年金は全額支給される。(22-2Bの類型)

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22
2C
 60歳台後半の老齢厚生年金の受給権者が被保険者である間、老齢厚生年金については、総報酬月額相当額と老齢厚生年金の基本月額の合計額から48万円を控除した額の2分の1に相当する額に相当する部分が、老齢厚生年金の額以上であるときは、老齢厚生年金の全部(繰り下げ加算額を除く)が支給停止される。(R05改、31年改)

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27
9B
 昭和12年4月2日以後に生まれた70歳以上の老齢厚生年金(基本月額150,000円)の受給権者が適用事業所に使用され、その者の標準報酬月額に相当する額が360,000円であり、その月以前1年間に賞与は支給されていない場合、支給停止される月額は20,000円となる。(R05改、H31改)

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29
10
D
 令和5年4月において、総報酬月額相当額が480,000円の66歳の被保険者(第1号厚生年金被保険者期間のみを有し、前月以前の月に属する日から引き続き当該被保険者の資格を有する者とする)が、基本月額が110,000円の老齢厚生年金を受給することができる場合、在職老齢年金の仕組みにより月額55,000円の老齢厚生年金が支給停止される。((R05改、H31改)

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17
1D
 老齢厚生年金の受給権者が被保険者であって、当該者がその前月以前の月に属する日から引き続き被保険者資格を有する場合においては、当該年金に係る基本月額と総報酬月額相当額に基づき年金額の調整が行われるが、被保険者資格を喪失した者であって、当該者がその月以前の月に属する日から引き続き被保険者資格を有していた場合においては、年金額の調整が行われることはない。(改)(発展)

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17
5A
 すでに退職して1か月以上経過している68歳の老齢厚生年金の受給権者が、再就職して被保険者となったがその月に退職して資格を喪失した場合は、当該月について総報酬月額相当額と基本月額との合計が支給停止調整額を超えるときであっても年金額は改定されない。( 改)(17-1Dの類型)

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60






5.加給年金その他の在職老齢年金関連事項
(1)加給年金と在職老齢年金
@60歳台前半:
・加給年金額を除いた老齢厚生年金額が0の場合は、加給年金額は全額支給停止となる。
・加給年金額を除いた老齢厚生年金額が1円でもあれば、加給年金額は全額支給される。
A60歳台後半:
・加給年金額(特別加算も含む以下同じ)、繰り下げ加算額、経過的加算を除いた老齢厚生年金額が0の場合は、加給年金額は全額支給停止となる。(繰り下げ加算額、経過的加算は全額支給)
・加給年金額、繰り下げ加算額、経過的加算を除いた老齢厚生年金額が1円でもあれば、加給年金額は全額される。
(2)基金の加入員の在職老齢年金
 
基金の加入員であったことのある者の在職老齢年金についてはこちらを
(3)国会議員、地方公共団体の議会の議員の在職老齢年金
@国会議員、地方公共団体の議会の議員は、その間、60歳台前半、60歳台後半(70歳以降も含めて)の在職老齢年金の仕組みが適用される。
 この場合、歳費月額(議員報酬月額)から標準報酬月額を決定、期末手当から標準賞与額を決定する。
 支給停止額の計算は、一般の被保険者と同じである。
A届出 詳細はこちら
   
   
70









使















6.70歳以上で使用される者 
(0)施行規則10条の4により、「適用事業所に使用される者であつて、かつ、法12条各号に定める者(適用除外者)に該当するものでない者」のこと。
(1)厚生年金被保険者から排除
 厚生年金の被保険者でなくなる。ただし、受給資格期間不足のために高齢任意加入被保険者になった場合は、引き続き被保険者である)
⇒70歳に到達時点で、資格喪失届を提出
(2)厚生年金保険料、
 70歳以降は厚生年金保険料の納付義務はなくなる(被保険者及び事業主とも)
(3)届出(70歳到達時あるいはそれ以降で以下に該当する場合)  詳細はこちらを
 「70歳以上被用者該当届」(年齢要件以外の条件では厚生年金被保険者に該当することになったとき) 
 「70歳以上被用者不該当届」(退職あるいは、パーとタイムで働くなど、年齢要件を以外の条件でも厚生年金被保険者にはなりえなくなったとき)
(4)届出(70歳以降の使用期間中)
 通常の被保険者と同じく、算定基礎届、報酬月額変更届、標準賞与額などの届出が必要
 在職老齢年金の適用
 被保険者ではないが、年齢要件以外の条件では厚生年金被保険者となるものには、60歳台後半の在職老齢年金の仕組みが適用される。
70歳以上の者に対する在職老齢年金の制度の経緯
@H27.10.01前までは、「平成19年4月1日において70歳未満の者(昭和12年4月2日以降生まれ)」の者にのみ適用されていた。
AH27.10.01以降は、生年月日に関わらず、70歳以上の者に適用されることに。
Bよって、昭和12年4月2日前生まれの者であって、70歳以上で被用者として(被保険者と同等の労働時間・日数で)雇用される者は、H27.10..01以降、新たに、「70歳以上被用者該当届」を提出し報酬額などを届けないといけない。
 (ただし、標準報酬月額に相当する額に変更がないなど一定の要件に該当するものは、H31.04..01以降届出不要に)
⇒昭和12年4月2日前生まれの者であって、被用者に該当しない者は、改めて「70歳以上被用者不該当届」を提出する必要はない。
23
9C
 老齢厚生年金を受給している被保険者(昭和12年4月2日以降に生まれた者に限る)であって適用事業所に使用される者が70歳に到達したときは、その日に被保険者期間の資格を喪失し、当該喪失日が属する月以後の保険料を納めることはないが、一定の要件に該当する場合は、老齢厚生年金の一部又は全部が支給停止される。(注意)

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正しい 誤り

4
8B
  在職老齢年金は、総報酬月額相当額と基本月額との合計額が支給停止調整額を超える場合、年金額の一部又は全部が支給停止される仕組みであるが、適用事業所に使用される70 歳以上の者に対しては、この在職老齢年金の仕組みが適用されない。(23-9Cの類型)

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5
4イ
 厚生年金保険の適用事業所で使用される70歳以上の者であっても、厚生年金保険法第12条各号に規定する適用除外に該当する者は、在職老齢年金の仕組みによる老齢厚生年金の支給停止の対象とはならない。(23-9Cの類型)

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28
7オ
 昭和12年4月1日以前生まれの者が平成28年4月に適用事業所に使用されている場合、その者に支給されている老齢厚生年金は、在職老齢年金の仕組みによる支給停止が行われることはない。 (23-9Cの発展)

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21
6C
 70歳以上の使用される者に係る標準報酬月額に相当する額については、標準報酬月額等級の第1級の98,000円から第30級の605,000円までの区分により定められる。(応用)

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7.失権(45条)
 「老齢厚生年金の受給権は、受給権者が死亡したときは、消滅する」
⇒老齢厚生年金の受給権を失うのは、当人が死亡したときだけである。
 唯一の例外は、60歳台前半に支給される「特別支給の老齢厚生年金」は65歳に達すると失権するが、同時に老齢厚生年金の受給権が発生する。(年金証書はそのままで、支給額の変更が行われるだけ)